「サクラメントの西(71)」

ALL’OVEST DI SACRAMENTO (伊) 「サクラメントの西」,JUDGE ROY BEAN(英)「判事ロイ・ビーン」劇場未公開

カテゴリー(french acter)

監督フェデリコ・セントレナス、脚本フェデリコ・セントレナス、ルイジ・アンジェロ、オスカー・デ・マン撮影マリオ・フィオレッティ、音楽ピエール・ペレット、出演ロベール・オッセン、ピエール・ペレット、アンジェロ・インファンティ、シルビア・モンティ

人がほとんど死なない、軽いコメディタッチのフランスとの合作ウエスタン。「ロイ・ビーン」といえば、ジュン・ヒューストン監督、ポールニューマン主演のアメリカ製ウエスタンが知られているが、本作は、それより先に「ロイ・ビーン」を取り上げた点で注目に値する。とは、いっても、ストーリーは史実とは無縁のほのぼのコメディ。明るい雰囲気で気軽に楽しめる。

町の顔役ブラック・バード(ロベール・オッセン)は、金を輸送する馬車を襲う。しかし、馬車の金はブラック・バードに対抗する町の飲んだくれ判事ロイ・ビーン(ピエール・ペレット)の姪キャット(シルビア・モンティ)によって掠め取られた。馬車を奪われた金の護衛担当者バック・カーソン(アンジェロ・インファンティ)は、町に着くと、ロイ・ビーンに奪われた馬車の捜索を依頼するが自分が首謀者であるロイ・ビーンはまともに取り合おうとしない。業を煮やしたカーソンは、奪われた金を探すため街に居座ることになった。

そんな中、ロイ・ビーンを挑発するブラック・バードはロイ・ビーンの経営する酒場の前に同じような酒場を立ち上げる。ビールの安売りやカジノの開店、お色気作戦などで、客の争奪戦を繰り広げるロイ・ビーンとブラック・バード、ついに二人は大勢の客が見守るリング上でカードにより決着を着けることにする。互いに卑怯な手を駆使しながらも、ついにブラック・バードに敗れたロイ・ビーンは町から追い出される。

宿敵を追い落とし町のボスとなったブラック・バードは本格的に奪われた金を探し始め、その秘密を握るキャットとロイ・ビーンの部下たちを縛り首にすると宣言する。処刑当日、知らせを受けたロイ・ビーンは町に取って返し、キャットたちの首に掛けられた縄を断ち切るのだった。ブラック・バード一味とロイ・ビーンたちの激しい銃撃戦が始まった。とはいいながらも、この撃ち合いものんびりしたもの。人は一人も死ななない。キャットを人質にとって酒場に立てこもったブラック・バードを倒す秘密兵器は、ガラスを引っ掻く耳障りな音、ブラック・バードこの音が大の苦手だったのである。耳を押さえて町から逃げ出すブラック・バード。ラストはいつの間にか恋仲になっていたキャットとバック・カーソンが金を取り戻して仲睦まじく去っていく様子を、ロイ・ビーンたちが笑顔で見送る。

「風来坊」を代表とするこうしたほのぼのした作品もまたマカロニウエスタンの魅力でもある。主演のロイ・ビーンを演じるピエール・ペレットはフランスの作曲家兼シャンソン歌手で、本作品の軽快な音楽も彼の手によるもの。また、役者としてもなかなか達者で、途中愛銃のバントラインスペシャルに小型ストックを着けたまま、腰だめでファニングするという面白い撃ち方を披露してくれる。