「アメリカ野郎ヤンキー(67)」

YANKEE, L’AMERICANO(伊)「アメリカ野郎ヤンキー」、YANKEE(英)「ヤンキー」劇場未公開

カテゴリー(french acter)

監督ティント・ブラス、脚本ティント・ブラス、アルフォンゾ・バルカザール、アルベルト・シルベストリ、ジャンカルロ・ファスコ、撮影アルフィオ・コンティーニ、音楽ニニ・ロッソ、出演フィリップ・ルロア、ロドルフォ・セリ、トーマス・トレス、ビクター・イスラエル、ミレーラ・マーティン、ジェイカス・ハーリン、フランコ・デ・ローザ

「サロン・キティ」や「カリギュラ」などイタリア映画界でエロティックな問題作を制作し続けたティント・ブラス監督が手掛けた唯一のマカロニウエスタン。アルフィオ・コンティーニの凝ったカメラワークが冴え、哀愁のトランペッター、かのニニ・ロッソを起用した音楽も素晴らしいなかなかの佳作。

流れ者の賞金稼ぎヤンキー(フィリップ・ルロア)は、メキシコ国境に巣くう山賊グラン・コンチョ(ロドルフォ・セリ)一味の懸賞金を狙っていた。一味の手下の一人が持ち逃げした金の隠し場所を知っていると偽って一味に潜入したヤンキーは、手下を廃坑におびき出し、一掃する。さらに、コンチョの根城に飾ってある肖像画に火を放ち、コンチョの情婦ロジータ(ミレーラ・マーティン)を誘拐してコンチョを挑発するが、いささか調子に乗りすぎて、コンチョに捕らえられてしまう。

しかし、ヤンキーを逃がしたのは、コンチョの腹心ルイス(トーマス・トレス)だった。以前からコンチョのやり方 に不満をもっていたルイスは、ヤンキーと手を組むことにしたのだ。逃走したヤンキーは、川を渡る軍の輸送隊を襲って金を強奪したコンチョ一味に挑戦する。ルイスはコンチョによって殺されるが、ヤンキーはコンチョを決闘で倒し、懸賞金の額だけを差し引いた軍の金を置いたまま立ち去っていくのだった。

コンチョに反感をいだくルイスが途中から味方につき、主人公のピンチを救うという点以外は、物語に特にひねったところは見られず、賞金稼ぎが山賊を倒すという展開。しかし、フィリップ・ルロアの特徴のあるマスクとつばの広いハットをかぶった独特なファッションは、なかなか個性的。「黄金の七人」シリーズの教授役に代表されるように、もっぱら年配の知性派を演じることが多いルロアだが、実際はボディビルダー顔負けのマッチョボディをもち、アクションもなかなかの切れ味。豊富なガンプレイや決闘、リンチのシーンを見ていると異色監督ティント・ブラスもマカロニはきちんと定石通りに作っているところが逆に興味深い。