「空手と拳と豆の物語(73)」

STORIA DI KARATE PUGNI E FAGIOLI(伊) 「空手と拳と豆の物語」、 KARATE FIFTS AND BEANS (英)「空手と拳と豆」劇場未公開

カテゴリー(Dean Reed)

監督トニノ・リッチ、脚本、撮影、音楽グイド&マウリツィオ・デ・アンジェリス、出演ディーン・リード、クリス・ヒュエルタ、イワオ・ヨシオカ、フェルナンド・サンチョ、アルフレッド・メイヨ、アンヘル・アランダ、サル・ボージェス

「燃えよドラゴン」のヒットを受けて70年代になって何本か制作された、マカロニとカラテアクションを癒合させた作品。しかし、本作は香港との合作ではなく「荒野のドラゴン(73)」と同様に日本人空手家をアクション担当に起用した、純粋なマカロニウエスタン作品であるため、中途半端な香港合作作品よりも面白いコメディに仕上がっている。

泥棒コンビ、サム(ディーン・リード)とピッコロ(クリス・ヒュエルタ)の二人は、銀行家モーガンから、山賊エスパルテロ(フェルナンド・サンチョ)に誘拐された娘ベイビー(フランセス・ロマナ・コラッツイ)の救出を依頼される。二人組は、エスパルテロに支払う身代金を偽造するために縛り首にされそうになっていた偽札作りの名手ケンとクリントのゴールデンハンド兄弟(サル・ボージェス、アンヘル・アランダ)を助ける。しかし、真の偽札作りはすでに亡くなっていた彼らの父親で、身代金を支払う作戦は失敗に終わる。そこで、たまたまゴールデンハンド兄弟といっしょに助けた日本人コック、モイカコ・フジバシ(イワオ・ヨシオカ)を「ミカド」の皇太子ということにして、エスパルテロに皇太子誘拐をそそのかし、その隙にベイビーを救出するという作戦に変更する。

一旦は作戦が成功したかに見えたが、フジバシがサムたちの仲間であることを知ったエスパルテロはアジトにとって返してサムとピッコロは絶体絶命。ところが両陣営が殴り合いを繰り広げている最中に、「フィッシャーライス(海鮮丼?)」をもってフジバシが現れる。そんな中、エスパルテロが、フジバシの持つ丼をひっくり返したものだから大変。キレたフジバシが大暴れ、エスパルテロ一味をやっつけてめでたしめでたしという結末となる。

なによりも、目立っているのはフジバシを演じるイワオ・ヨシオカ。熊本県出身のれっきとした空手家で、カラテ普及のためイタリアに渡っているところを映画界からスカウトされたいきさつは「荒野のドラゴン」の早川明心と同じ。コメディである本作では、山高帽に浴衣姿という珍妙なスタイルで登場するものの、手刀でパンをスライスし、気合いで発する超音波?で鳥の羽を丸ごとむしってしまうという珍業を次々に披露。いったんファイトシーンになると、基礎のしっかりした空手技を繰り出して敵を倒すという儲け役を演じていた。物語の前半で、中国人と空手とカンフーどちらが強いかという口論から、カンフー使いを空手で倒してしまうシーンがあるのも、面白い。