「嵐を呼ぶ男スリム(68)」

DIO LI CREA…IO LI AMMAZZO(伊)「神が汝らを創りたまい…我が汝らを昇天せしめる」、GOD MADE THEM…I KILL THEM(英)「神が汝らを創りたまい…我が汝らを昇天せしめる」劇場未公開、TV/DVD公開題名「嵐を呼ぶ男スリム」

カテゴリー(Dean Reed)

監督パオロ・ビアンキーニ、脚本フェルナンド・ディ・レオ、撮影セルジオ・デ・オフィージ、音楽マルチェロ・ギガンテ、出演ディーン・リード、ピーター・マーテル、ピエロ・ルッリ、フィデル・ゴンザレス、アグネス・スパーク、リンダ・ベラス

マカロニウエスタンでは数本の主演作をもつ人気ポップ歌手のディーン・リードが主演。「大西部無頼列伝(71)」ではこそ泥役を演じていた彼が、今回は個性にピッタリのプレイボーイのガンマンを演じる。突如発生した銀行強盗事件の真相解明と、新たな事件発生を防ぐために町の用心棒として雇われたのがエレガントなガンマン、スリム・コーベット(ディーン・リード)。様々な事実を探るうちにスリムは強盗一味を裏で操っていたのがメキシコ人の富豪ドン・ルイス(ピーター・マーテル)と保安官ランカスター(ピエロ・ルッリ)であることをつきとめる。

仲間割れの末ルイスは保安官を殺し、スリムの相棒だった靴磨きのジョブ(フィデル・ゴンザレス)を人質にとってスリムをおびき寄せる。スリムは単身敵地に乗り込み、見事な乗馬とガンの腕前を駆使して一味を全滅させる。ストーリーには、さしたる特徴がないが、テンガロンハットをかぶらず、常に髪にくしを通してギャンブラー風のおしゃれな衣装を見にまとっているガンマンはなかなか新鮮。全編にちりばめられた決闘や撃ち合いの数も多く、ディーン・リード自身が歌う主題歌も格好良い。

しかし、こうしたにやけたタイプのガンマンがマカロニにあまり描かれなかったのはやはりこの手のキャラクターがマカロニウエスタンには不似合いだったからで、女優といちゃいちゃしながらゆとりたっぷりで拳銃をぶっぱなす主人公には、マカロニヒーローの悲愴感や目的遂行の執念が感じられない。ラストの対決でやられたふりをして1瞬、前方回転して身を翻し、逆転の弾丸を放つというのも、今一つ工夫不足を感じさせる。