「帰って来た流れ者クリント(71)」

RITORNO DI CLINT IL SOLITARIO(伊)「帰って来た流れ者クリント」、RETURN OF CLINT THE STRANGER(英)「帰って来た流れ者クリント」劇場未公開

カテゴリー( George Martin)

監督ジョージ・マーティン、脚本ジョバンニ・シモネッリ、エチオ・パサドーレ、撮影ハイメ・デウ・カサス、音楽エンニオ・モリコーネ、出演ジョージ・マーティン、クラウス・キンスキー、マリナ・マルフェッティ、アウグスト・ペサリーニ、スーザン・アトキンソン、ダン・マーティン

ジョージ・マーティン主演の快作「CLINT IL SOLITARIO(68)」の続編にあたる。今回はマカロニでは珍しく俳優のジョージ・マーティンが監督と主演を兼ねているのが特徴。前作で家族の元に戻ったクリントだったが、弟夫婦を殺した無法者を殺したためお尋ね者となり、5年の逃亡生活から再び帰って来るという設定。途中で前作の親子の交流が思い出として入るなど時間的に前作と連続している形をとってはいるが、家族との絆を取り戻したクリントが前回と全く同じ過ちを繰り返すと考えるのは無理がある。

やむを得ない殺人を犯し、傷心のまま故郷に帰って来た主人公が、銃を使わないと誓いながらも、家族と町の平和を取り戻すため、再び銃を手に取るというストーリー展開は前作と同じ。時間的連続性よりも、同じパターンを踏襲した別の物語としての続編と考えた方が納得できる。家族から受け入れられないクリントだったが、無法の一味から土地を狙われて無実の罪を着せられた農夫を救うため再び銃を手にすることになる。

ここでからんで来るのがクラウス・キンスキー扮する謎の賞金稼ぎスコット。あの金髪を肩まで届く長髪にして長いマントを羽織って登場する不気味なキャラクターはキンスキーの個性にピッタリ。クリントとどう関わっていくのか大いに期待を抱かせる。結局、彼はクリントを獲物として狙っているの だが、無法に立ち向かうクリントと彼を慕う家族の姿にうたれてクリントを助ける側に回る。数あるキンスキー出演の作品の中でも最もおいしい部分をさらっていく正義の味方の役柄だ。

凶悪なスリム・ノートン(ダン・マーティン)が、牧場主スタンレー(ルイス・インドーニ)を人質に取って町の広場で待ち構えるところへクリントが現れるクライマックス。ここでクリントに扮するジョージ・マーティンがライフルを片手で操りながら連射を見せるシーンはなかなか見事。ガンアクションも家族の絆を大切にしたストーリーも上質の部類に入る好作品だ。ただ、モリコーネ作曲と謳われた音楽は「黄金の棺」の使い回しなのが大変残念。