「怒りの百連発銃(66)」

THOMPSON 1880(伊)「トンプソン1880年型(原題)」、THOMPSON 1880(英)「トンプソン1880年型(原題)」劇場未公開、TV公開題名「怒りの百連発銃」

カテゴリー(George Martin)

監督グイド・ズルーリ、脚本ヘスス・バルカザール、撮影ビクター・モンリアル、音楽マルチェロ・ギガンテ、出演ジョージ・マーティン、ジア・サンドリ、パセール・バジル、ゴードン・ミッチェル、ホセ・ポダロ

 

ダストスプリングの町は悪徳実業家ブレンディ(パセール・バジル)の一味がのさばる無法の町だ。ブレンディの酒場では、ビール一杯飲んでも法外な代金を請求される有様だったが、町の男たちは一味の報復を恐れてだれも抵抗しようとしない。唯一、気概を見せるのは、気丈な町娘シェイラ(ジア・サンドリ)だけだった。そんな町へ、ラバに大きな荷物を載せて、主人公レイモンド・トンプソン(ジョージ・マーティン)が、やって来る。酒場に入ったトンプソンは、ブレンディ一味の挑発に一歩も引かず、堂々と殴り合う。多勢に無勢で、叩きのめされはしたが、トンプソンの勇気に好感をもったシェイラは、彼に町の立て直しを期待する。しかし、トンプソンは銃を扱うことが、全くできず、シェイラの期待は失望に変わる。 そんなトンプソンには、実は、シェイラが期待する以上の秘密の特技があった。ジョージ・マーティンが、その身軽さを生かして見せるアクションシーンは豊富なのだが、主人公自身が拳銃を扱えないという設定は、マカロニウエスタンとしては致命的な欠点。その代わりに、トンプソンは、銃器を製作・改造することにかけては一流の腕をもっているガンスミスという新趣向が設定されている。とはいうものの、銃器改造の特技を見せるのは物語の途中で、指をつぶされて引き金がひけなくなったグレン・シェパード(ゴードン・ミッチェル)のために撃鉄をはじくだけで発射できる拳銃を作ってやる程度で、新兵器を見る楽しさはいまひとつ。 ついにシェイラが拉致され、トンプソンも追い詰められるが、最後にトンプソンがラバに積んで運んできた荷物の中から登場するのが“トンプソン1880年型”という珍妙な100連発機関銃。巨大な鉛筆削りか、旧式のカメラを連想させる珍妙な形状の百連発銃は、肩からつり下げて撃ちまくり、悪党ブレンディ一味をあっさり掃滅してしまう。マシンガンでの大量虐殺はマカロニお馴染みのシーンなので、同じ場面を踏襲して楽しむというマカロニ独特の楽しさが味わえた。また、ベッドのパイプに即席の火薬を詰めて飛び道具として使用し、次々に襲い掛かる酒場の女たちをちぎっては投げして、危機を脱出するシェイラ役ジア・サンドリの女傑ぶりも楽しい。現代のペンタゴンに舞台が移るラストシーンはマカロニ独特のお遊びだ。