「気をつけろアメ公、サバタが帰って来たぞ(72)」

ATTENTO GRINGO, E TORNATO SABATA!(伊)「気をつけろアメ公、サバタが帰って来たぞ」、LUCK MORGAN YOU WON’T GET THAT GOLD(英)「モーガン、貴様は金を手にできねえ」劇場未公開

カテゴリー(George Martin)

監督アルフォンゾ・バルカザール、脚本アルフォンゾ・バルカザール、ホセ・ラモン・ラレッツ、ジョバンニ・シモネッリ、撮影、ハイメ・デル・カサス、音楽ピエロ・ピッチオーニ、出演ジョージ・マーティン、ビットリオ・E・レチェルミイ、フェルナンド・サンチョ、ロザルバ・ネリ、ダン・マーティン

バルカザールはフェルナンド・サンチョのキャラクターを生かして「カランチョ」シリーズ等、数作品を手掛けているが、この作品もその系列の一つ。騎兵隊の裏切り将校モーガン(ダン・マーティン)が護送中に奪った金を、一味の一人だったカランチョ(フェルナンド・サンチョ)がくすねて墓場に隠す。しかし、追って来たモーガン一味から撃たれたカランチョは、たまたま通りかかったガンマンのサバタ(ビットリオ・E・レチェルミイ)から救われる。しかし、カランチョは悪党。隙をみてサバタの馬を奪って逃走してしまう。そこに、ひげ面の賞金稼ぎレイヨ(ジョージ・マーティン)がからみ、金の隠し場所を知るカランチョと四つどもえで奪い合うという展開になる。

敵対する三者の間を嘘と裏切りを繰り返しながら巧みに泳ぎ回るもなぜか憎めないカランチョの個性が秀逸。ラストはレイヨがサバタ立ち会いの下、1対1の決闘でモーガンを倒し、3人で墓場に埋めた金を掘り返しに赴くが、なんと金は神の恵みと、教会の神父によって掘り返されていた。骨折り損と思われたレイヨとサバタは、カランチョを村人に突きだし懸賞金を2人で山分けにして去っていく。残されたカランチョの呆然とした姿でエンドタイトル。

カランチョは同一キャラクターが活躍する同バルカザールの作品の「カランチョ」と同じスタイルで登場。また、ジョージ・マーチンもバルカザール監督の秀作「SARTANA NON PERDONA(68)」と同じコート姿の髭面で活躍する。もう1人の主人公を演じるビットリオ・E・レチェルミイは人気のある俳優ではあるが、マカロニウエスタンの出演は本作と「DIECI BIANCHI UCCISI DA UN PICCOLO INDIANO(74)」の牧童役のみと思われる。真面目な雰囲気の彼は、海千山千の悪党が跋扈するマカロニワールドではいまひとつ線の細さが目立つ。ピッチオーニの音楽は「脱獄の用心棒(68)」に用いられている曲“ワンモアタイム”の文字通りの使い回しで終わっている。