「ワイアット・アープ(65)」

SUFIDA A RIO BRAVO(伊)「リオブラボーの決闘」、GUNMEN OF THE RIO GRANDE(英)「リオグランデのガンマン」劇場公開作品

カテゴリー( Guy Madison)

監督トリオ・デミチェリ、脚本トリオ・デミチェリ、ナティビター・ザロ、イタロ・ジンガレリ、撮影グリエルモ・マンコーリ、音楽フランチェスコ・ラバニーノ、出演ガイ・マディスン、マドレーヌ・ルボー、フェルナンド・サンチョ、キャロライン・デービス、マッシモ・セラート

「荒野の用心棒(64)」の大ヒットの後を追うようにして日本でも公開された作品だが、ジェンマの「荒野の1ドル銀貨(65)」との間に挟まれて、人々の心に残ることはほとんどなかったようだ。酒場の女主人ジェニー・リー(マドレーヌ・ルボー)は、町のボス、ザック・ウイリアムス(ジェラール・ティシー)から所有している酒場を強引に買収されようとしていた。町の保安官レオナルド・ウイン(マッシモ・セラート)では頼りにならないと考えたジェニーは、なじみの名保安官ワイアット・アープ(ガイ・マディスン)に町の治安回復を依頼する。

ジェニーの依頼を引き受けることにしたアープは、治外法権の土地であるため、流れ者のララミーと名乗って町に乗り込む。そこでは、可憐なクレメンタイン(キャロライン・デービス)が所有する銀山から輸送される銀が、度々メキシコ山賊パンチョ・ボーガン(フェルナンド・サンチョ)の一味から強奪されるという事件も頻発していた。実は、ザックとパンチョは裏でつながっており、ザックは汚い仕事の処理をパンチョに押し付けて私腹を肥やしていたのだった。

よそものララミーが自分たちの周囲を嗅ぎ回っていることを知ったザックは、ララミーに殺人の濡れ衣を着せてお尋ね者にするが、保安官レオナルドは、ララミーの無実を信じ、協力を約束する。ララミーとレオナルドが護衛する銀の輸送隊を予想通りパンチョ一味が襲ってくるが、積み荷はダイナマイトだった。一気に殲滅される山賊を見限ったザックは証拠隠滅のために背後からパンチョを撃つ、ザックの裏切りを知ったパンチョは真実を伝えて息絶え、ララミーことワイアット・アープは最後の決闘でザックを倒す。町には、平和が戻りアープとクレメンタイン、レオナルドとジェニーという二組のカップルも誕生たしめでたしとなる。

撃ち合うシーンはけっこう豊富で、ダイナマイトを積んだ幌馬車を敵陣に突入させるアクションや、1対1の決闘シーンなど見せ場も多く用意されている。しかし、主人公をわざわざワイアット・アープという実在の英雄に設定したり、恋人の名前をクレメンタインにしたりと米国西部劇へのコンプレックスが露骨に見えてしまうのが難点。米国西部劇特有のホームドラマ的なシーンも盛り込まれており、2人が食事の支度をする場面では「愛しのクレメンタイン」を鼻歌で歌わせるという念の入れようだ。これまでの西部劇とは違うぞ、と思わせる要素が皆無だったところが、マカロニが驚異的な支持を得ようとする時期であったにもかかわらず本作品が大きくヒットしなかった理由だろう。