「五匹の用心棒(66)」

I CINOQUE DELLA VENDETTA(伊)「復讐の5人」、FIVE GIANTS FROM TEXAS(英)「テキサスから来た5人の巨人」劇場公開作品

カテゴリー( Guy Madison)

監督アルド・フロリオ、脚本アルフォンゾ・バルカザール、ホセ・アントニオ・デ・ラ・ローマ、アルド・フロリオ、撮影ビクトル・モンレアル、音楽フランコ・サリーナ、出演ガイ・マディスン、ビダル・モリーナ、ホセ・マヌエル・マルティン、バジリ・カラス、ジョバンニ・チアン・フリリア(ケン・ウッド)、モニカ・ランダル

集団のヒーローを設定することで特色を持たせようとした作品の一つ。殺された友人の仇討ちのため5人の男達が力を合わせて戦う。5人が集まるまでの細かな過程は描かれず、3兄弟一味に挑戦するため5人が旅立つところから本格的に話が始まる。

彼らの共通の友人であるジム(ガルマーノ・ロンゴ)が悪名高きゴンザレス3兄弟に殺され、ジムの妻となっていた3兄弟の従妹ロザリア(モニカ・ランダル)は裏切り者として町から追放されていた。ロザリアを助け、ジムの仇を討つために集まったのはリーダーのジョン(ガイ・マディスン)、参謀格のアラン(ビダル・モリーナ)、ナイフ投げのヘスス(ジョバンニ・チアン・フリリア)、若いダン(バジリ・カラス)、インディオのラモン(ホセ・マヌエル・マルティン)という面々。複雑なストーリー構成はなく、五人組が復讐に旅立つとゴンザレスが雇った山賊マタンザ一味から妨害されるものの、ついにゴンザレスが支配する町にたどり着き、激しい撃ち合いを繰り広げるだけ。

しかし、本作品の見どころはこのラスト30分のガンファイト。撃ち合いに次ぐ撃ち合いシーンの連続で、地上をころげながらの連射、屋根から飛び降りると同時のライフルの流し撃ち、ナイフ投げの妙技などそれぞれが面白いガンプレイを見せてくれる。地上を転がりながら、起き上がりざま連射して敵を倒すマディスンの曲撃ちなどはなかなかの見ものだ。また、路上での3対3の決闘が繰り返されるなど、西部劇独特の見せ場も多く用意されているのがうれしい。

しかし、少し残念なのは主人公である5人に個性的な魅力がないこと。スタイリッシュなファッション、格好よさ、というマカロニヒーローの持つ魅力が本作品の用心棒達には希薄なのだ。5人の姿はどれも米製の西部劇に一般的には描かれるカウボーイスタイルで、これといった特徴がない。この5人が悪役の手下の中にまざっていても見分けがつかないだろう。5人のヒーローを演じるどの俳優も脇役か、悪役の手下を中心に演じている人達。そのため、いつも主人公から撃ち殺されるホセ・マヌエル・マルティンやビダル・モリーナがファニングや二丁拳銃で複数の敵を倒すなど珍しい場面もある。「新・荒野の用心棒(68)」のように、そうした俳優を起用することが思いがけない成功につながる場合もあるが、今回はそうした効果はあまり見られなかったようだ。ホセ・マヌエル・マルティンはやはりやられ役の方が様になっている。

唯一リーダーのジョンを演じるガイ・マディスンはハリウッド時代から少しは名前を知られている常連の俳優で、かなりの本数のマカロニに主演しているが、彼の場合も「荒野のお尋ね者(66)」の悪役の方が性に合っているようだ。せっかく複数の主人公を配置したのだからストーリーをもう一ひねりして、それぞれに個性を持たせるならばもっと面白くなったに違いない。その面では同じ集団西部劇でも「七人の特命隊(67)」には残念ながら及ばない。