「荒野のカンフー兄弟(73)」

ALTRIMENTI VI AMMUCCHIAMO (伊)「さもないと、お前ら袋叩きだ」、KUNG FU BROTHERS IN THE WILD WEST(英)「荒野のカンフー兄弟」劇場未公開

カテゴリー(William Berger)

監督ヤオ・バン・イー、脚本ト・ラン・リー、カルロ・マンコーリ、撮影レイモンド・チョー、マニュエル・ルイス、音楽フランコ・ブラカルディ、出演ジェーソン・パイ・ピャオ、ポー・チー・レオ、ウイリアム・バーガー、ドナルド・オブライエン

ブルース・リーのカンフー映画が世界を席巻してから、流行に敏感なマカロニの世界でも当然カラテ映画を意識した作品が生まれて来た。「荒野のドラゴン(73)」はイタリア資本の純粋なるマカロニウエスタンだが、本作品や「LA DOVE NON BATTE IL SOLA(73)」は、香港との合作である。

西部にやってきたカンフーの達人であるチェン(ジェーソン・パイ・ピャオ)は、西部の町で中華料理店を営む兄(ポー・チー・レオ)と再会する。町では、カラテの達人を用心棒として雇う(ウイリアム・バーガー)の一味が幅をきかせており、町民は虐げられていた。兄弟は、偏見と暴力に満ちた西部の荒くれどもに挑戦するが、その途中で兄は銃弾に倒れ、チェンは、一味への復讐を誓うのだった。

拳銃に対抗するためコイン型の手裏剣を使ったり、弁髪に剃刀を仕込んだりというアイデアシーンはあるが、全体として香港お得意のワイヤーワークやトリック撮影が目立ち、「荒野のドラゴン」のような生身の迫力が伝わってこない。似合わない空手着に身を包んだウイリアム・バーガーの珍妙なカラテや、本人を撃てばよいのに、飛んでくる手裏剣を銃で打ち落として対抗したために、最後にはやられてしまう間抜けな悪党など、お笑いものだ。

ショウブラザースの三流カラテ映画にバーガーとオブライエンがゲスト出演したような印象で、全体の雰囲気はカンフー映画そのもの。実際イタリア本国では未公開のまま終わっているらしい。ラストも主人公と用心棒のカラテ使いの格闘対決だが、例によって対決に決着がつくと同時に終劇という香港映画独特の唐突な終わり方をする。