「額に風穴(68)」

UN BUCO IN FRONTE(伊)「額に風穴」、HOLE IN FOREHEAD(英)「額に風穴」劇場未公開

カテゴリー(Anthony Ghidra)

監督ジョセフ・ウォーレン、脚本アドリアーノ・ボルゾーニ、撮影アメリゴ・ゲンガレーリ、音楽ロベルト・プレガディオ、出演アントニー・ギドラ、ロバート・ハンダー、ロジー・ジセル、ルイジ・マルトゥラーノ、ジョン・ブライアン

賞金稼ぎのビリー・ブラッド(アントニー・ギドラ)は、サンタアナ将軍が隠した黄金の在処を示すという3枚のキングのカードのうち一枚をもつ男ムリエッタから用心棒として雇われていた。ムリエッタとの待ち合わせ場所である修道院でムリエッタを待つブラッドだったが、修道院に到着したムリエッタはすでに瀕死の状態で、冷酷な山賊の首領モンゴーヤの名を告げて息を引き取ってしまう。

ムリエッタの墓を暴いてカードを奪おうとしたモンゴーヤの手下を倒してムリエッタのカードを手にしたブラッドは、自らが黄金を手にしようともう一枚のカードをもつモンゴーヤとの接触を図る。モンゴーヤ一味への仲間入りを果たしたブラッドは、密かにモンゴーヤがもつ2枚目のカードを盗み出すと、一味が軍隊から強奪したマシンガンを使ってモンゴーヤの砦から脱出する。このあたりの展開は「続・荒野の用心棒」にそっくり。黄金を手に入れるため、次々とモンゴーヤの手下を殺していくブラッドはジャンゴ並の悪党だといえる。

3枚目のカードを探して武器商人テダーの元を訪れたブラッドだったが追いついたモンゴーヤ一に捕らえられ、カードの在処を白状させようとするモンゴーヤからリンチを食らう。一味に拉致されていた女たちの協力で脱出に成功したブラッドは、世話になった修道院の僧侶たちが惨殺されていることを知る。黄金は教会の尖塔に隠してあったのだ。怒りに燃えたブラッドはモンゴーヤ一味に最後の対決を挑む。渋い魅力のアントニー・ギドラは「拳銃のバラード(67)」ばりのガンプレイを随所で披露しているが、本作品で注目したいのは悪役のロバート・ハンダー。前半では、恐ろしく残虐な男であるという噂とモンゴーヤという名前だけが盛んに登場人物の口から語られ、期待感を高めた頂点でそのワイルドな姿を現す展開が見事。このブラッドとモンゴーヤの対決は多いに盛り上がるが、ラストは意外とあっさり勝負がつき、文字通り必殺の一弾でモンゴーヤの額に風穴を空けたブラッドは金をすべて修道院に寄付すると再びさすらいの旅に立っていく。ロベルト・プレガディオの静かだが深みのある音楽はガンマンの哀愁を駆り立てる傑作だ。