「最後の殺し屋(67)」

L’ULTIMO KILLER(伊)「最後の殺し屋」、DJANGO,LAST KILLER(英)「最後の殺し屋ジャンゴ」劇場未公開

カテゴリー(Anthony Ghidra)

監督ジョセフ・ウォーレン(ジュゼッペ・バリ)、脚本アウグスト・カミニート、撮影アンジェロ・フィリピーニ、音楽ロベルト・プレガディオ、出演ジョージ・イーストマン、アントニー・ギドラ、ダナ・ギア、ダニエル・バルガス、ジョン・ハミルトン、ミルコ・エリス、ジョン・マックダグラス、フレッド・コプラン

日本未公開の作品ではあるが、師弟の絆と、その破局を描いたマカロニウエスタンの魅力に溢れた佳作。メキシコ青年のラモン・チコ(ジョージ・イーストマン)は地主ジョン・バレット(ダニエル・バルガス)に借金を返しに行く途中を襲われ、返却すべき金を奪われてしまう。借金返済ができなくなったことを伝えにバレットの元を訪れたラモンは、バレットの手下の中に彼の金を奪った犯人を見つけ、真相を悟るが、逆に悪辣なバレット一味からリンチを受けて叩き出された。さらには、彼が留守にしている間にラモンの農場は、バレットの一味から襲われ、家を焼かれただけでなく両親をも殺害されてしまう。

おとなしかったラモンもついに怒りを爆発させ、バレットの命をつけねらうが、その途中で背後から撃たれそうになっていた一人の男の身代わりになって撃たれる。この男こそ、金で雇われて殺しを請け負う殺し屋のレザー(アントニー・ギドラ)であった。恩義を感じたレザーはラモンの命を救い、拳銃の扱い方を教えてくれと懇願するラモンにガンプレイの奥義を授けていく。「1発目を必ず当てろ」「光、風、音、全てに対して感覚を研ぎ澄ませ」「弾丸全てをつかいきるな」など、レザーの指南を受けながら練習を繰り返すラモンは、ガンマンとしての才能を開花させ、師匠のレザーさえ一目置く凄腕の拳銃使いに成長する。

もはや教えることはないと、ラモンと別れるレザー。しかし、ラモンを始末するために送り出した4人の手下を瞬く間に返り討ちにされたバレットは、ラモンの存在に恐怖を感じ、なんとラモンを殺すことをレザーに依頼するのだった。拳銃をもって向かい合う非情の師弟。レザーから教わった鏡を利用した殺法で宿命の師弟対決を制したラモンだったが、自らもレザーの弾丸を腹に受けてしまう。両親はもとより、唯一の心の支えであった師匠さえ失ったラモンは、腹に弾丸を残したまま、憎きバレット一味に単身挑戦する。

場面の多くが師であるレザーと弟子のラモンの交流で占められているほど、2人の友情が主軸になっており、プロに徹する殺し屋の悲しい宿命をロベルト・プレガディオの静かで深みのある主題曲が盛り上げる。しかし、殺しのプロとはいっても、互いに心を通い合わせていた師弟2人が決闘に至るまでの過程があまりに唐突で不自然なところがこの作品のマイナスポイントだ。