「司祭を支える西部のすべての信者(72)」

TUTTI FRATELLI NEL WEST…PER PARTE DI PADRE(伊)「司祭を支える西部のすべての信者」  MISS DYNAMITE(英)「爆弾娘」劇場未公開

カテゴリー(Antonio Sabato)

監督セルジオ・グリエコ、脚本ロマロ・ミグリオリーニ・マセット、セルジオ・グリエコ、撮影アルド・デ・ロベルチス、音楽リズ・オルトラーニ、出演アントニオ・サバト、フェルナンド・サンチョ、ライオネル・スタンダー、マリサ・メル、ペーター・カルステン

テレンス・ヒルのトリニティが登場してから、マカロニガンマンの様相は一変した。金や復讐への情念を燃え上がらせる寡黙でニヒルなヒーローは姿を消し、全くやる気のない、グータラな主人公が大挙して登場してきたのだ。穴の空いたボロボロの下着スタイルは、その象徴。ジュリアーノ・ジェンマですら「ベンとチャーリー(71)」で、トリニティタイプの、のらりくらり系ガンマンを演じてしまった。

本作もそうしたグータラガンマンが主演する宝探しもの。ボロをまとった流れ者ジッポ(アントニオ・サバト)は、色ボケの爺さんから娼館に誘われる。5つ揃えば金が出る鉱山の在処が分かるという石の欠片をじいさんは持っているという。最初から眉唾物の話と取り合わなかったジッポだったが、店の売れっ子ルルベル(マリサ・メル)もその欠片の一つをもっていた。興奮のあまり娼館で命を落としたじいさんの代わりにルルベルと組んで欠片探しを始めることにしたジッポは、それぞれの欠片を奪い合うラッキー・カポネ(ライオネル・スタンダー)と農場主サテリー(ペーター・カルステン)の争いに便乗して2つの欠片をまんまと手に入れる。

残る一つを持っているのは、メキシコの将軍を気取るカゴソ(フェルナンド・サンチョ)だ。欠片は全てルルベルに預けて、一人でカゴソの一味に潜り込んだジッポだったが、カゴソも残りの欠片を捜していた。大勢の手下たちに囲まれてピンチに陥るジッポ。しかし、そこにベルに扇動された娼館馴染のカウボーイたちが大勢で加勢に殴り込んでくる。後は、この手のマカロニ作品お馴染みの殴り合い大会。逃げ出すボスのカゴソからジッポとルルベルは、最後の欠片を手に入れ、金鉱のオーナーとなる。しかし、金に群がって来る強欲な人間たちと、窮屈な生活に愛想をつかしたジッポとルルベルは二人仲良く町を去っていくのであった。風来坊型のグータラガンマンが活躍する作品の中では、ヒロインを演じるマリサ・メルの愛らしさもプラスして面白く観られる一本。