「地獄のガンマン(67)」

ODIO PER ODIO(伊)「憎しみには憎しみ」、HATE FOR HATE(英)「憎しみには憎しみ」劇場公開作品

カテゴリー(Antonio Sabato)

監督ドメニコ・パオレラ、脚本マリオ・アメンドーラ、ブルーノ・コルブッチ、フェルナンド・ディ・レオ、ドメニコ・パオレラ、撮影アレハンドロ・ウロア、音楽ウイリー・プレッツア、出演アントニオ・サバト、ジョン・アイアランド、ミルコ・エリス、グロリア・ミランド、ナディア・マルコーニ

ハリウッドのバイプレーヤーだったジョン・アイアランドと「グランプリ」で若きレーサーを演じたアントニオ・サバトの共演作品であるが、劇場公開作品の中ではあまり話題には上らなかったもののひとつだろう。しかし、そうした人知れず忘れられたような作品の中に思いがけなく出来のよい作品を発見することもまたファンの楽しみである。本作品も業を背負った主人公の生きざまを描いた点ではマカロニウエスタンの本質をしっかり保っている作品だといえる。特に、宿敵と壮絶な相討ちとなりながら、実の娘に最後まで己の正体を明かさず赤の他人として死んで行く主人公の最期は、傑作「ミネソタ無頼(64)」「新・荒野の用心棒(68)」に通じるものだ。

クーパー(ジョン・アイアランド)とモクソン(ミルコ・エリス)の2人はコンビで銀行を襲う。クーパーを殺して分け前を独り占めしようとしたモクソンをクーパーは逆に馬車から叩き落として、長く離れ離れになっていた家族の元に帰ろうとする。だが、追っ手に捕らえられ獄中生活を余儀なくされたクーパーは、ミゲル(アントニオ・サバト)というメキシコ人の若者に家族への言付けを託す。クーパーが銀行から奪った金の中から、預けた520ドルの受け渡しを要求してきたミゲルは、抜群のガンの腕をもちながら、彫刻家を志すという風変わりな若者だ。しかし、ミゲルはその役目を果たすことはできなかった。モクソンが生きていてクーパーの家族を襲ったからだ。家族のことを案じて脱獄したクーパーは、ミゲルを疑い彼の後を追い始めた。一時は対立した二人だったが、ミゲルへの疑いも晴れラストでは、ミゲルとクーパーが協力してモクソンの一味と対決することになる。獄中生活でマラリヤに侵されていたクーパーは病をおしてモクソンとの対決に挑み、壮絶な相討ちとなるのだ。

ミゲルを演じるアントニオ・サバトは肩からガンベルトを逆方向に吊るし、非常に抜きにくい逆手撃ちの状態で早撃ちを見せるところが魅力。物語は革命軍の将軍の遺児であることが判明するミゲルの話とクーパー対モクソンの対決の話をからませながら展開するが、クーパーの家族への思いがその要になっているところがマカロニらしいところ。モクソン一味とミゲルを助けに来たメキシコ人の仲間たちとの集団での撃ち合いも迫力があって面白く仕上がっている。

ちなみに、テレビ公開されたマカロニ「LA COLT E MIA LEGE(66)」も「地獄のガンマン」という題名で公開されていた。担当者が、同題名の劇場公開作があることを知らないままこの題名がつけられたものと思われるが、「荒野の、夕陽の、さすらいの、・・・」と「ガンマン、用心棒、一匹狼・・・」という順列組み合わせで題名がつけられるところが日本で公開されるマカロニウエスタンのややこしいところだ。