「2度の裏切り(68)」

DUE VOLTE GIUDA(伊)「2度の裏切り」、TWICE A JUDAS(英)「2度の裏切り」劇場未公開

カテゴリー( Antonio Sabato)

監督ナンド・チチェロ、脚本ナンド・チチェロ、J.J.バルカザール、撮影フランシスコ・マリン、アリステッド・マサセッチ、音楽カルロ・ペス、出演アントニオ・サバト、クラウス・キンスキー、ホセ・カルボ、クリスチィーナ・カルボ、ミロ・クエサダ

マカロニにもいくつか存在する記憶喪失テーマの一つ。荒れ果てた丘の上に倒れ禿鷹についばまれる寸前で息を吹き返した若者(アントニオ・サバト)は、頭に傷を負い記憶を失っていた。記憶を取り戻せないまま側に堕ちていたディングスという名が刻まれたライフルを手にすると彼は、丘を降りて町へ赴いた。そこで出会った仲間と思われる男についていった先は、埋葬の現場を狙って望遠照準器つきのライフルで暗殺を企てる現場であった。何も分からないまま若者は暗殺の標的となっていた男を助ける。暗殺されようとしていた男はビクター・バレット(クラウス・キンスキー)と名乗り、若者は弟のルーク・バレットであると告げられる。

ビクターは銀行家のマーフィー(マルシソ・イバンツ・メンタ)と農民の土地を巡って激しく対立しており、ルークもボスの弟であるということでビクターの側につくが、何か釈然としないものを感じる。母親という女性に会いに行くと彼女は盲目でルークの顔を見分けることはできなかった。ビクターのやり方は冷酷を極め、町民はビクターを恐れていた。やがて、ビクターを完全に信用しきれないルークは彼の記憶をとりもどすためにディングスという人物を探し始めるが、その途中で母親の牧場が襲撃され母と召使の黒人サムも殺されてしまう。しかし、死ぬ間際にサムが発した「犯人はディングス」という言葉と、母の持っていた写真から、ルークは、真犯人が誰であったかを思い出すのであった。

勿論、彼を殺そうとしていたのは、異母兄弟のクラウス・キンスキーであり、バレット一家に恨みを持つディングスこそが、彼の正体であったのだ。クライマックスの対決はライフルとバズーカ砲のような威力をもった先込め式のショットガンを駆使しての銃撃戦が繰り広げられる。中盤で母親の農場を襲った敵との撃ち合いも馬車の下に隠れて接近したり、犬の鎖を断ち切って敵をバリケードから追い出して撃ち倒したりするなど、工夫したガンシーンが多く盛り込まれマカロニウエスタンらしく仕上がっている。カルロ・ペスの音楽は、マカロニの雰囲気とは違う静かな曲だ。