「グランデ川の奇襲(63)」

AGGUATO SUL GRANDE FIUME(伊)「グランデ川の奇襲」、PIRATES OF THE MISSISSIPPI(英)「ミシシッピの略奪者」劇場未公開

カテゴリー(Brad Harris)

監督ハーケン・ローランド、脚本ワーナー・P・ジバソ、ヨハネス・カス、撮影ラルフ・カステル、音楽ウイリー・マターズ、出演ブラッド・ハリス、ホルスト・フランク、ジャネット・バティ、ダン・バディス、トニー・ケンドール、ハンス・オルグ・フェルミイ

まだまだ、西部劇はアメリカのものという認識が当然だったころに作られた初期の作品。米国の西部劇を横目でにらみながら作っているため、内容も音楽もマカロニらしさはほとんど感じられない。しかし、インディアンの一群が荒野を疾走するシーンやミシシッピ川を下る大型の蒸気船の描写など、西部劇全盛期だけに結構予算が使われていることがわかる。

軍の将校であるホルスト・フランク率いる覆面の盗賊団によって町の銀行が襲われる。たまたま通りかかった流れ者グリーンウッド(ブラッド・ハリス)が一味と間違えられてリンチに合いそうになるが、保安官ジェームス(ハンスオルグ・フェルミイ)の手によって救われた。救われたグリーンウッドは保安官助手となり、チェロキー賊と手を組んで悪事を重ねる銀行強盗一味を追跡する。

ブラッド・ハリス初の西部劇主演作品だが彼が活躍するシーンは少なく、本当の主演は見るからに善人というイメージの保安官ジェームスである。しかし、マカロニウエスタンの主人公としてはあまりにも情けなく、ラストでホルスト・フランク相手に1対1の決闘を挑むも逆に返り討ちにされ、トニー・ケンドール率いるチェロキー族から救出されるという有様。初期のマカロニはおおむねこのような作品ばかりだ。

その他若々しいダン・バディスがインディアン娘の復讐によって底無し沼に沈められてしまう悪徳保安官助手の役を、またトニー・ケンドールがインディアンの酋長役をと、人味違った役柄を演じているのが面白い。インディアンの酋長の扮装は「ALLA CONQUISTA DELL’ARKANSAS(64)」「I GRINGO NON PERDONANO(65)」と同じもので、これらの三部作で場面の使い回しができるようにするためだと思われる。マカロニの猛威が吹き荒れる以前の初期はイタリアよりも西ドイツでインディアンと開拓者ものの西部劇を多く作っており、この作品も西ドイツ、フランスとの合作だ。