マカロニウェスタン大全 「デュランゴが来た、支払うかそれとも死ぬか」 1972

2021-04-22

ARRIVA DURANGO,PAGA O MUORI(伊)「デュランゴが来た、支払うかそれとも死ぬか」 、DURANGO IS COMING,PAY OR DIE(英)「デュランゴが来た、支払うかそれとも死ぬか」劇場未公開

カテゴリー( Brad Harris)

監督ロベルト・モンテロ、脚本ロベルト・モンテロ、撮影アルフォンゾ・ニエバ、音楽ラロ・ゴーリ、出演ブラッド・ハリス、ガブリエラ・ジョルジュリ、ホセ・トレス

“剣と魔法の物語”でいくつかの作品を残し、また秀作マカロニ「LE DUE FACCE DEL DOLLARO(67)」を手掛けているロベルト・モンテロ監督作品。本作でヘラクレス俳優ブラッド・ハリスが扮するのは、ジャンゴの亜流デュランゴという名前をもつ金貸しの用心棒。マカロニには珍しい借金取りという役柄がそのまま「金を払うか、それとも死ぬか?」という原題につながっている。

その腕を見込まれて悪徳銀行家に雇われることになったデュランゴは、駅馬強盗を働いて金を奪ったメキシコ人の悪党サント一味の追跡を開始する。サント(ホセ・トレス)を捕らえ連行するとなんとデュランゴも濡れ衣を着せられて投獄されてしまう。サントは銀行家の悪巧みのからくりを知っていたのだ。牢を脱走した二人は銀行家の悪事を暴くために協力することになる。とはいうものの、サントは口八丁手八丁の小悪党、ことある毎にデュランゴを裏切り、出し抜こうとするのだった。堅物のイメージが拭えないハリス扮するデュランゴよりも、喜怒哀楽を露骨に表現するホセ・トレス演じるサントの方がキャラクターとしての個性を放っている。アクションシーンや撃ち合いの場面は結構力を入れてしっかりとつくられており、ホセ・トレス演じるサントの魅力もあって、面白く観ることができた。

銀行家の悪事を暴き、金を町のために取り戻したデュランゴは、文句を垂れながらもなぜか彼の後を追ってくるサントと共に旅立つ、ほのぼのとしたラスト。全体の構成は「復讐のガンマン」に似ているといえないこともない。なお、本作と「WANTED SABATA(70)」との場面をつなぎ合わせて一本の作品として成立させてしまった「DEATH IS SWEET FROM THE SOLDIER OF GOD(72)」という詐欺まがいの作品も存在する。