「恋と銃弾と狂気(78)」

AMORE,PIOMBO E FURORE(伊)「恋と銃弾と狂気」、CHAINA9,LIBERTY37(英)「チャイナ9,リバティ37」劇場未公開

カテゴリー(Fabio Testi)

監督モンテ・ヘルマン、脚本ジェリー・ハーベイ、ダグラス・ベンチュレリ、撮影ジュゼッペ・ロターノ、音楽ピノ・ドナッジオ、出演ファビオ・ティスティ、ジェニー・アガター、ウォーレン・オーツ、サム・ペキンパー

イタリア語原題通り男女の愛憎をテーマにしたマカロニウエスタンの秀作。サム・ペキンパー監督作品の常連ウォレン・オーツが農夫役で出演しているのをはじめ、ペキンパー監督自ら、新聞記者の役で登場している。

鉄道建設予定地に住みながら、土地を売ろうとしない農夫マシュー(ウォーレン・オーツ)を殺すために鉄道事業を進める町のボス、ウイリアムスから殺し屋クレイトン(ファビオ・ティスティ)が雇われる。絞首刑を免れることを条件に留置所からの出獄を許されたクレイトンはマシューの元に向かう。しかし、彼はマシューを殺すことができず、なんとマシューの若く美しい妻キャサリン(ジェニー・アガター)と愛し合うようになってしまう。土地を離れ逃避行に旅立った2人。その後を怒りと嫉妬に燃え狂気に陥ったマシューとその兄弟たちが追う。さらに土地を狙うウイリアムス一味もその追跡に加わり、物語は愛情と欲望が渦を巻きながら展開していく。追っ手によってクレイトンは足を撃たれ、キャサリンは連れ戻される。どさくさに紛れてマシューを亡き者にしようとするウイリアムス、さらに、夫マシューの真の温かさに触れることになったキャサリン、キャサリンを取り戻すべく一味の後を逆に追跡するクレイトン、それぞれの配役がピタリと決まっている上にアクションシーンも豊富。さらにマカロニには珍しい官能的なラブシーンも盛り込まれて見所が満載だ。

ラストは、協力してウイリアム一味を撃退したマシューとクレイトンがキャサリンをめぐり1対1の対決、殺し屋クレイトンに農夫のマシューが敵うはずがない。禁じられた恋の行方はどうなるかという緊迫感で最後まで見せる。監督のモンテ・ヘルマンはタランチィーノ監督の91年の犯罪アクション映画『レサボア・ドッグス』でもプロデューサーを務めた生粋の映画人、音楽も名手ピノ・ドナッジオと豪華な配役にふさわしいスタッフが顔を揃えている。