「荒野の身代金(69)」

KIDNAPPING! PAGA O UCCIDIAMO TUO FIGLIO(伊) 「子供を誘拐した!支払わなければ殺す」、KIDNAPPING! (英)「誘拐」劇場未公開

カテゴリー(Brett Halsey)

監督アルバート・カーディフ、脚本アルバート・カーディフ、ビットリオ・サレルノ、ウーゴ・グエッラ、撮影マリオ・バセゴ、音楽ミケーレ・ラクレンツァ、出演モンゴメリー・フォード(ブレット・ハルゼイ)、ゲルマーノ・ロンゴ、テレサ・ジンペラ、フェルナンド・サンチョ、エウジェニオ・バティスタ、ハワード・ロス

モンゴメリー・フォードことブレット・ハルゼイが主演し、アルバート・カーディフことアルベルト・カルドーネが監督した作品。マカロニウエスタンではあまり取り扱われない誘拐事件を主題材としたものだが、他作品ではニヒルなガンマンを演じているモンゴメリー・フォードがアル中の冴えない男を演じているため、ガンファイトも岩場でバンバン撃ち合うだけ。決闘も爽快なガンプレイもなく、なんとも盛り上がらない作品になってしまった。

南北戦争で死んだ士官の未亡人ジェーン(テレサ・ジンペラ)の一人息子ジェリー(エウジェニオ・バティスタ)が何者かによって誘拐された。身代金受け渡しの役として指名されたのが、かつては名保安官として鳴らしていたが、家族を馬車の転落事故で失い、今はアル中となっているフレッド(モンゴメリー・フォード)であった。しかし、フレッドはその任を果たせず、身代金として準備された2万ドルを途中で奪われてしまう。2万ドルを横領したと疑われたフレッドは保安官のビル(ゲルマーノ・ロンゴ)から逮捕されるが、留置所に拘留されたフレッドはならず者のマヌエル(フェルナンド・サンチョ)の手によって脱獄させられる。マヌエルもフレッドが2万ドルを着服したとみて彼から金の在処を聞き出そうとするのだった。

本当の黒幕は保安官のビルであった。マヌエルと組んでジェリーを誘拐した後に、身代金を独り占めするため、横領の罪をフレッドに着せようとしたのだった。保安官時代の勇気を取り戻し、ジェリーを救うために敵地に乗り込んだフレッドは、撃ち合いの末ビルたちを倒し、ジェリーを救出する。ジェリーは自らが付けていたブリキの保安官バッジをフレッドの胸に付けてあげるのだった。

本作が、抱えているもう一つの問題点が「TWENTY THOUSAND DOLLARS FOR SEVEN」という英語の題名。どの資料を見てもこの題名が本作の米国公開時の題名として解説されているのだが、この題名で公開された形跡を見つけることができない。内容から見てこの題名は同じアルバート・カーディフ監督、ジェリー・ウイルソン主演の「さすらいのガンマン回転逆手撃ち(68)」の英語題名であることは間違いない。こうした情報の錯綜がマカロニウエスタンに関する作品のアイデンティティを大きく混乱させているのである。

なお、「荒野の身代金」という題名は、2001年日本で発刊された『マカロニポスター大全』の使われた題名である。