「神の怒り(68)」

L’IRA DI DIO(伊)「神の怒り」、WRATH OF GOD(英)「神の怒り」劇場未公開

カテゴリー(Brett Halsey)

監督アルベルト・カルドーネ、脚本アルベルト・カルドーネ、イタロ・ガスペリーニ、ウーゴ・グエラ、撮影マリオ・パチェコ、音楽ミケーレ・ラクレンツァ、出演モンゴメリー・フォード(ブレット・ハルゼイ)、ウエイド・プレストン、フェルナンド・サンチョ、ハワード・ロス、アンヘル・デル・ポーゾ、ダナ・ギア

恋人との幸福な生活を夢見て、恋人ジェーンの元を訪れたマイク・バーネット(モンゴメリー・フォード)は、そこでジェーンが7人の男たちの手によって暴行され殺されているのを発見する。7人の男たちから殴り倒され、気を失っていたマイクが目を覚ますと、土地購入資金として集めてきた1万ドルが消え去り、7ドルの銀貨だけが残されていた。復讐の鬼と化し旅立ったマイクは、仇と狙う7人の男たちを一人ずつ殺し、その場に1ドル銀貨を残していく。

マカロニウエスタンでは定石となった物語展開といって良いだろう。本作は、それぞれの仇を討つ話がオムニバスのように独立しているのが特徴。最初の仇ローガン(ウエイド・プレストン)は、霧のかかった森の中の撃ち合いで倒し、二人目のマーク(フランコ・ファンタジア)は、砂丘でのナイフによる格闘で倒し、という具合。さらには、 暗闇で夜光塗料を目印に撃ち合う決闘や、背後の敵を振り向かないまま2丁拳銃で倒したり、倒れ込みながらライフルの流し撃ちを見せたりとガンプレイの見せ場は豊富だ。そうして仇を討ち続けるマイクの前に最後に現れた事件の首謀者は、マイクが親友と信じ、仇討ちの手助けをしてくれていた親友のデビッド(アンヘル・デル・ポーゾ)であることが明らかになる。

黒マントを羽織ったいで立ちでモンゴメリー・フォードが演じる本作の主人公マイクは、ニヒルさに溢れた典型的なマカロニガンマン。「野獣暁に死す(68)」と同じような役柄を、同じようなスタイルで演じているが、トランペットの名手として知られるミケーレ・ラクレンツァのテーマ曲にのって荒野をさすらう主人公マイクの哀愁漂う姿はマカロニウエスタンならではの雰囲気を伝えてくれている。そうしたキャラクター造形の面では合格点が与えられるのだが、先の展開がおおかた予測できるためラストの意外性も少なく、盛り上がりに欠ける。また、開幕で7人の悪党たちがジェーンだけを殺し、当然復讐してくるであろうマイクは、殴り倒すだけで引き上げてしまうなどストーリー上、不自然な点が多いところはマイナスポイントだ。