「皆殺し無頼(66)」

JOHNNY YUMA(伊)「ジョニー・ユマ」、JOHNNY YUMA(英)「ジョニー・ユマ」劇場公開作品

カテゴリー(Mark Damon)

監督ロモロ・グエリエリ、脚本ジョバンニ・シモネッリ、フェルナンド・ディ・レオ、ロモロ・グエリエリ、撮影マリオ・カプリオッティ、音楽ノーラ・オルランディ、出演マーク・ダモン、ローレンス・ドブキン、ロザルバ・ネリ、ルイジ・バヌッチ、フレディ・ゴンザレス

マーク・ダモン主演の代表作。彼の凄みとスピーディな格好良さが最大限に発揮された作品だ。主人公ジョニー・ユマ(マーク・ダモン)は、死んだ叔父の遺産を相続することになり叔父の屋敷のある町へ行くことになる。しかし、叔父の死は事故ではなく、叔父の若い後妻サマンサ(ロザルバ・ネリ)が兄のペドロ(ルイジ・バヌッチ)と謀って殺害したものだった。財産は自分達のものになるともくろんでいた悪党達にとってジョニーの存在は誤算だった。彼らは早撃ちジョニーに対抗するために、凄腕で名を馳せた殺し屋のキャラダイン(ローレンス・ドブキン)を呼び寄せる。ところが、町の酒場で偶然顔を合わせたジョニーとキャラダインは互いの素性も知らぬ間に意気投合し拳銃を交換してしまう。キャラダインのネームの入ったガンベルトを持っていたことからキャラダインになりすましたジョニーは敵地に単身潜入、叔父の仇討ちのために大活躍するというストーリー。

随所で見せるジョニーのアクションがこの作品の売り物。町に着くなり、りんご売りの少年ペペがからかわれているところを助けるシーン、風呂あがりを襲われてもタオルの下に隠した拳銃で倒してしまうシーンなど、ユーモアを交えながらも格好良い場面が連続する。特に見せるのは、敵に正体を見破られリンチを食らう場面。マカロニ名物リンチの場面が格好良いというのもおかしな話だが、実際ここでのジョニーは凄惨な迫力が満点だった。悪党一味のボス、ペドロは、捕らえたジョニーを馬に乗ったまま追いまくり、闘牛のように槍でいたぶる。血まみれになるジョニー。しかし、やられたままでは終わらない。突き出された槍をたぐってペドロを馬から引きずり降ろすと、近くにあった焼きゴテを使ってペドロを人質に取り見事に脱出に成功する。ペドロを離す時も流された血を彼の顔に塗り たくり、思い切りぶん殴る痛快さ。やられたらその分やり返すという原始的な生命力がマカロニらしい。

ここで、少年ペペに助けられたジョニーだったが、そのためペペは一味に殺されてしまう。ペペが惨殺されるシーンは、痛快極まりないこの映画の中で唯一後味の悪い場面だった。

ラストはいよいよお待ちかねのジョニー対キャラダインの決闘。キャラダインの到着を待つジョニーは真昼の太陽がギラギラと照りつける中、静かに待ち続ける。この間の取り方も見事だ、強者同士の対決を予感させ大いに雰囲気を盛り上げる。しかし、ジョニーとキャラダインが撃ち合っている隙をねらって両者を一気に葬ろうと画策したペドロの思惑に気づいたキャラダインは、プロとしてのプライドを傷つけられ、結局ジョニーの味方に付いて2対多の対決となる。

連射可能な構造を備えたホルスターの中に拳銃を入れたままで早撃ちを見せるキャラダインの個性が光る。一方、主役のジョニーも、壁の下に寝転んで壁を乗り越えた瞬間の敵を撃ち倒したり、敵の黒手袋をはめた手で相手を誘導して油断させて撃ったりと、撃ち合いシーンに工夫がさまざまに凝らされていて面白さ抜群。しかし、やはりここは、1対1の緊張感溢れる対決を見たかったところだ。ジョニーと一旦分かれたキャラダインは、サマンサの屋敷に向かう。昔は愛し合った仲だったサマンサの甘言に一瞬の隙を見せてしまった彼は、サマンサの隠し持ったデリンジャーで騙し討ちにあってしまう。馬車で逃走を計るサマンサ。まんま と逃げだした女性の悪玉をどうやって倒すかという点もこの作品の見所。

女性の悪役サマンサはそれなりにスマートに、ペペを殺した憎きペドロは徹底的にやっつけるところはアメリカの西部劇を比較的強く意識しているからだろう。ジョニーがラストでペドロを倒すシーンは凄まじい。利き腕を無造作にへし折ってから1発、2発と弾丸を打ち込む。凄惨な処刑を執行しながらジョニーはつぶやく「1発目は叔父貴の分、そしてもう1発はペペの分だ。」この言葉は、後に多くの映画やコミックなどで何度も繰り返して用いられる名台詞。ノーラ・オルランディ作曲による主題歌もハイテンポで、格好良く聞かせてくれる名曲だ。