「汝の隣人を憎むべし(69)」

ODIA IL PROSSIMO TUO(伊)「汝の隣人を憎むべし」、HATE THY NEIGHBOR(英)「汝の隣人を憎むべし」劇場未公開

カテゴリー(George Eastman)

監督フェルディナンド・ベルディ、脚本フェルディナンド・ベルディ、ルイジ・アンジェロ、ロベルト・ナターレ、撮影エンツィオ・セラフィン、音楽ロビー・ポイテビン、出演ジョージ・イーストマン、クライド・ガードナー、ホルスト・フランク、フランコ・ファンタジア、クラウディオ・カステラーニ

奇妙な作品である。地主クリス・マローン(ホルスト・フランク)の一味に兄を殺された男ケン・ダコタ(クライド・ガードナー)が、復讐するというマカロニ譚なのだが、物語は彼の復讐よりも、兄を殺した実行犯ギャリー・スティーブンス(ジョージ・イーストマン)の方に比重が置かれているのだ。

ケンの兄とその妻を殺し、彼が所有していた金の隠し場所を記した地図をギャリーは手にする。しかし、そのことをボスのクリスに報告せず、金の独り占めを計ったため、地図の隠し場所を白状させようとするクリスから拷問を受ける。その危機を救ったのがケン・ダコタで、兄を殺したのがギャリーと睨んだ彼は、仇討ちと共に金の地図を取り戻そうと考えていたのだった。

この後の展開は地図を隠したギャリーを巡ってのクリスとダコタの争いとなってしまう。ジョージ・イーストマン扮する悪党ギャリーは、クリスとダコタの間を立ち回り、というよりも、両陣営から追い回され、縛り首になりそうになったり、蛇がとぐろを巻く穴の真上で逆さ吊りにされたりと散々な目に合う。

最後には、クリスを裏切って金を山分けしようとした相棒のホセ(パオロ・マガレッティ)と一緒に命を賭けた闘技の場に引き出される始末。この戦いがこの作品の特徴的な場面。竹を編んで作った小さな盾で顔面を庇いながら、右手にもった鉄鉤を使って相手に止めを刺すという文字通りの死のゲームだ。

必死の思いでこの戦いに勝利した瞬間、ギャリーは彼を狙っていたダコタにクリスが首謀者であるという真実を告白しようとしてクリスに撃たれてしまう。ダコタはクリスも倒し、兄の恋人のペギー(ニコレッタ・マキアベリ)と一緒になってめでたしめでたしという結末。あれだけ描かれたギャリーの受難、必死の戦いは何だったのだろうと首をひねってしまう。名監督フェルディナンド・ベルディらしからぬ失敗作だ。出演者のクレジットには、主演ジョージ・イーストマンと出ている。