「死の商人(72)」

IL VENDITORE DI MORTE(伊)「死の商人」、PRICE OF DEATH(英)「死の値段」劇場未公開

カテゴリー(Gianni Garko)

監督ビンセント・トーマス(ロレンソ・ギッカパリ)、脚本ロレンソ・ギッカパリ、撮影フランコ・ビラ、音楽マリオ・ミグリアルディ、出演ジョン・ガルゴ、クラウス・キンスキー、アラン・コリンズ、ルチアーノ・カナッティ、フランコ・アッビーナ、ジャン・カルロ・プレテ、ミマ・ビスカルディ、ラウラ・ジアノーリ

犯人の姿は見えない殺人事件の現場から始まるホラーミステリーのタッチで描かれた作品。覆面をした強盗による酒場襲撃により多数の犠牲者が出た。容疑者として町の嫌われ者チェスター・コンウェイ(クラウス・キンスキー)が逮捕される。不利な証言が相次ぎ、犯人と断定されたチェスターは死刑を宣告されるが、彼の無実を信じる弁護士プラマー(フランコ・アッビーナ)は、優雅な生活を満喫しているエレガントなガンマン、シルバーに事件の真相解明を依頼する。シルバーは、スタントン保安官(ルチアーノ・カナッティ)と協力して、チェスターの無罪を証明し、真犯人が、なんと町のテイラー牧師(ジャン・カルロ・プレテ)であることをつきとめるのだった。

釈放されるチェスター、しかしここに思わぬどんでん返しが待っていた。チェスターのベルトの飾りは、全く別の場所で犯行が行われたメキシコ娘殺しの犯人の者だったのだ。最後はやはり凶悪犯、というところに落ち着くのはキンスキーの面目躍如というべきか。本作の主人公シルバーは、監督のロレンソ・ギッカパリが脚本を担当した「32口径の殺し屋(67)」のシルバーと同一キャラという設定。前作でピーター・リー・ローレンスが演じたシルバーは、45口径のコルトは、傷口が美しくないという理由で32口径の拳銃を愛用する、キザなガンマンだったが、本作のキャラクターも、もっぱら袖口に隠した小型拳銃を愛用している。

ただし、若々しいイメージのローレンスと比較して、口髭を蓄えたジョン・ガルゴはエレガントなファッションはともかく、イメージとしてはナンパなサルタナといったキャラクターになってしまった。探偵が難事件を解決するパターンの物語だけにアクションやガンプレイのシーンは少なくマカロニの本質的な魅力には欠ける。マリオ・ミグリアルディの音楽も、「マタロ」で使われた曲の使い回しだ。