「臆病者は祈らない(68)」

I VIGLIACCHI NON PREGANO(伊) 「臆病者は祈らない」、 COWARDS DON’T PRAY(英)「臆病者は祈らない」劇場未公開

カテゴリー(Gianni Garko)

監督マーロン・サーコ、脚本エドワルド・ブロチェロ、アーネスト・ガスタルディ、マーロン・サーコ、撮影ジノ・サンティーニ、音楽ジャンニ・マルセッティ、出演ジャンニ・ガルゴ、ショーン・トッド、ジェリー・ウイルソン、アラン・コリンズ、エリサ・モンテス

南北戦争終結後も南北両軍の残党による報復合戦は続いており、南軍の帰還兵ブライアン(ジャンニ・ガルゴ)は雷鳴轟く夜、押し入って来た北軍くずれのならず者集団に妻を殺され、自らも撃たれて重傷を負う。開幕倒れたブライアンのアップが映し出され、そこに重なるタイトル、この後に期待されるのは当然マカロニお得意の復讐劇だ。ところが、物語は全く予想とは異なった展開を見せる。

ブライアンは通りかかったガンマンのダニエル(ショーン・トッド)に救われる。ダニエルからならず者集団に拉致された弟のロバート(ジェリー・ウイルソン)救出に手を貸すことを依頼されたブライアンは、協力してロバートを救い出し、その後3人で行動を共にすることになる。かつての上官から依頼された、地域の土地を支配するために邪魔なブレイク農場 を奪う仕事をこなしていく過程で、妻の死によって心のすさんだブライアンは、その残虐性を徐々に露わにしていった。

ついに、ブライアンと手を切ることを決断したダニエルとロバートは、彼と別れて旅立つ。数年後、ブライアンを襲い妻を殺した犯人たちは、すでに縛り首となり、ダニエルは町の保安官となっていた。そんなダニエルの守る町の銀行が襲われた。駆けつけたダニエルは犯人が、なんとブライアンの率いる一味であることに気がつく。かつての友人を撃つことができないダニエル。決断できない兄に代わってブライアンの逮捕に向かったのは、保安官助手を務める弟のロバートであった。しかし、ブライアンは、ロバートの説得にも耳を貸さず、なんと丸腰の彼を射殺してしまう。事ここに至って、ダニエルはついに自らブライアンと対決する決意を固める。

軍の手によってブライアンの一味は壊滅させられ、ブライアンは愛人となっていたブレイク牧場の娘ジュリー(エリサ・モンテス)と逃避行を重ねる。ついにダニエルによって追いつめられ、誤ってジュリーをも射殺してしまうブライアン。友情を水に流したダニエルとブライアンはついに拳銃を持って向かい合う。

復讐相手が中盤で縛り首にされてしまうという、定石を破る展開に驚くが、脚本はよく練られており、ジャンニ・ガルゴは、「砂塵に血を吐け(67)」のサルタナをイメージさせる狂気の演技。一方のショーン・トッドもニヒルな雰囲気でなかなか良いが、なにより物語の展開が悲惨で暗鬱な気分にさせられるのが難点だ。ちなみに、鞍を担いで歩くガルゴのイメージイラストが「SE INCONTRI SARTANA PREGA PER LA TUA MORTE(68)」のポスターで使用されているが、このイラストのキャラはどうみても本作のブライアンであろう。