「奴の拳銃が火を吐く…人は彼を墓場と呼ぶ(71)」

GLI FUMAVANO LE COLT…LO CHIAMAVANO COMPOSANT(伊)「奴の拳銃が火を吐く…人は彼を墓場と呼ぶ」、THEY CALL HIM CEMETERY(英)「人は彼を墓場と呼ぶ」劇場未公開

カテゴリー(Gianni Garko)

監督アンソニー・アスコット、脚本E・B・クルッチャー、撮影ステルビオ・マッシ、音楽ブルーノ・ニコライ、出演ジャンニ・ガルゴ、ウイリアム・バーガー、クリストファー・チッテーリ、ジョン・フォーダイス、ジョバンニ・デイ・ベネット、ネロ・パッツォフィーニ、フランコ・レッセル、ウーゴ・ファンガレッジ、レイモンド・ペイネ、ビル・バンダース

抜群にカッコいい音楽、個性的な主人公、そして連続する撃ち合いに決闘というマカロニウエスタンが備えるべき要素を全て備えた傑作。監督、出演、音楽、そして主人公の個性を見るとサルタナシリーズの中に数えてよさそうな作品だが、今回ガルゴが演じる主人公“コンポサント”は、サルタナよりもヒューマンなガンマン。自らの利益よりも、西部で四苦八苦している若者を陰から助けてやる役回りだ。

遺産を相続するために西部にやってきた2人の若者ジョン(クリストファー・チッテーリ)とジョージ(ジョン・フォーダイス)のマッキンタイヤ兄弟は、彼らの土地を狙う悪党トーランド(ジョバンニ・デイ・ベネット)から盛んにいやがらせを受けるようになる。そんな彼らに陰のようにつきまといピンチになると助けの手を差し伸べる精悍なガンマン、コンポサント(ジャンニ・ガルゴ)の姿があった。実際には、名無しのストレンジャーと呼ばれているが、家族を盗賊から皆殺しに殺されたという暗い過去を背負う彼の周囲には常に死が付きまとうため、コンポサント(墓場)という異名がつけられたのだった。

コンポサントは圧倒的に弱い立場にある2人の若者に西部で生き抜く術を教えていく。しかし、トーランドも南軍あがりの凄腕の殺し屋デューク(ウイリアム・バーガー)を雇って彼らの命をねらいはじめる。最後はマッキンタイヤ兄弟に、ペドロ(ウーゴ・ファンガレッジ)とチコ(レイモンド・ペイネ)のメキシコ農夫2人組を味方に加え、大勢の敵を相手取った大乱戦。一旦は金を独り占めするとみられたコンポサントだったがじつは、敵を欺くため全ての金を足を撃たれたチコの包帯の中に隠していたという逆転劇がさわやか。

さらには、回転するコインが止まる瞬間を合図にしたコンポサントとデュークの1対1の決闘と続き、マカロニウエスタンならではの見せ場のつるべ打ち。カメラワークも冴える質の高いマカロニウエスタンだ。また、若い兄弟2人に拳銃の手ほどきをするガルゴが実際にホルスターから拳銃を抜く速さや、ピタリと動かない銃身の構え方は実に見事。彼は実際に銃器の扱いに習熟していることが伺える。典型的なニコライ節を聞かせてくれる格好良いテーマ曲も、作品の雰囲気を盛り上げるために大いに貢献している。