「増える賞金死体の山(73)」

CAMPA CAROGNA..LA TAGLIA CRESCE(伊)「増える賞金死体の山」、THOSE DIRTY DOGS(英)「奴ら、汚ねえ犬ども」劇場未公開、DVD公開題名「増える賞金死体の山」

カテゴリー(Gianni Garko)

監督ジュゼッペ・ロザッティ、脚本カルロ・ベーオ、ジュゼッペ・ロザッティ、エンリケ・ルロベット、撮影ラファエル・パチェコ、音楽ニコ・フィデンコ、出演ジャンニ・ガルゴ、ステファン・ボイド、ハワード・ロス、ハリー・バード、サイモン・アンドリュー、マルティン・バルガス、テレサ・ジンペラ

ジョン・ガルゴがちょっととぼけたイスラム教徒の賞金稼ぎを演じる。大作「ベンハー」でチャールトン・ヘストンの敵役を演じたステファン・ボイドが騎兵隊の隊長役で出演しているのも話題の一つ。皇帝を気取るいささかイカれた頭目ロペス(アルフレッド・メイヨ)率いる一団が軍隊の武器輸送隊を襲撃して大量の武器や弾薬を奪い去り、さらには部隊に同行していた軍医の娘まで誘拐してしまった。

武器を受け取る予定だった砦の指揮官(マルティン・バルガス)は、政府に応援を要請するのだが、やって来たのは、チャドウェル(ステファン・ボイド)、ヤンガー(ハワード・ロス)、スミス(ハリー・バード)という軍の鼻つまみ者三人組。落胆する指揮官をしり目に、3人は、ロペス一味の賞金目当てで付いてきた奇妙なイスラム教徒の賞金稼ぎコーラン(ジャンニ・ガルゴ)とともに武器を輸送するロペス一味の追跡を開始する。「アラーは、賞金稼ぎは単独で行動せよとおっしゃっている」とコーランを示す、とんでも賞金稼ぎのキャラが秀逸。このガルゴ演じる賞金稼ぎコーランが、一味の若親分格であるアンジェロ・サンチェス(サイモン・アンドリュー)を何度も捕まえてはその度に取り逃がして、再び追いかけるという展開が繰り返される。

「生きて捕まえれば歩いて連行させられるが、死体にしたら運ばねばならん。」というコーランの理屈は、マカロニの常識からすれば、的外れだが、そうしたストーリーに散らばる数々の矛盾点は、本作品にとって大した問題ではないだろう。開幕からラストまで撃ち合いと爆発の連続。重ねて、あり得るはずのない超秘密兵器が続々と登場する。中でも極め付きは、ガンブレラと命名された日傘に仕込んだマシンガン。ジャンゴばりに大勢のメキシコ山賊達をあっという間に全滅させるのだが、給弾方法や発射システムを完全に無視したこの秘密兵器は悪名高い「ミシンガン」を凌ぐばかばかしさだ。さらには長射程距離のロケット砲、大爆発するパチンコ兵器など、珍妙な秘密兵器に加えてダイナマイト、ブーメランまで登場して善悪入り乱れた大乱戦へと突入する。

「無鉄砲」「無節操」「無宗教」という謳い文句に偽りなしの、はちゃめちゃで楽しいマカロニウエスタンだ。ニコ・フィデンコの軽快なテーマ曲(なんと歌っているのはステファン・ボイド)も効果的に使われてユーモラスな展開に一役買っている。ただし、宿敵サンチェスや、大ボスのロペスをはじめ救出するはずだった軍医の娘まで実にあっさりと死んでいき、大爆発で終わりという乱暴なラストの処理の仕方はいただけない。マカロニならば、大乱戦の後には、じっくり見せる決闘場面をしっかりと準備しておいて欲しいものだ。