「父と子と拳銃の名において(72)」

IN NOME DEL PADRE, DEL FIGLIO E DELLA(伊) 「父と子と拳銃の名において」、IN THE NAME OF THE FATHER,THE SON AND THE COLT(英)「父と子と拳銃の名において」劇場未公開

カテゴリー( Craig Hill)

監督フランク・ブロンストン(パオロ・ビアンキーニ)脚本アルパッド・デ・リソ、マリオ・ガリアッツォ、撮影エミリオ・フォリスコット、音楽ピエロ・ピッチォーニ、出演クレイグ・ヒル、フランク・ブラナ、ギル・ローランド、アガタ・レイス、ヌチア・カルディナーリ

開幕で黒いマントに身を包んだクレイグ・ヒルに率いられる一団が駅馬車を襲い女性まで手にかける残酷な強盗シーンが繰り広げられる。クレイグ・ヒルは悪役か?と観るものをとまどわせるが、実は….というおちがつく。

凶悪な強盗団キャシディ(クレイグ・ヒル)一味が荒らしまわる町で、彼を追跡するのは正義の保安官ビル・ノートン(クレイグ・ヒル二役)。ノートンの追及をかわしながら悪事を重ねるキャシディ。神出鬼没のキャシディ一味の陰には黒マントに「オペラの怪人」を思わせる仮面をつけた謎の男がついており、彼が一味に情報を流していた。さらに、悪党のキャシディと保安官のノートンはその容貌が瓜二つであり、仮面の男と顔が瓜二つの善と悪の関係は何かという興味で引き付ける。駅馬車を襲われキャシディから暴行された娘アントニエッタ(アガタ・レイス)は、ノートン保安官が犯人だと思い込み、ノートン保安官は逮捕され、窮地に立たされる。濡れ衣を晴らすため脱獄したノートンは、キャシディ一味と銃撃戦を繰り広げるが、傷を負ったキャシディは、町で開催されている仮面舞踏会にもぐりこんでしまう。

二役に仮面という要素が重なって物語の展開にはいろいろと工夫の余地が生まれそうなのだが、結局、キャシディとノートンは生き別れた双子の兄弟で、マスクの男は判事のフィンレイ(フランク・ブラナ)であったという意外性のない結末。双子の兄弟が争う心理的葛藤も、仮面舞踏会という設定もほとんど意味をなしていない。脚本のおそまつさが目立つ作品だった。印象に残るのは、ピエロ・ピッチォーニの音楽は軽快なトランペットによる曲だけだ。