「情無用のならず者(68)」

QUINDICI FORCHE PER UN ASSASSINO(伊)「殺人者のための15の絞首台」、DIRTLY FIFTEEN(英)「汚れた15人の野郎ども」

劇場公開作品

カテゴリー( Craig Hill)

監督ヌンツィオ・マラソンマ、脚本マリオ・ディナルド、ルイ・バヨナス、撮影ステルビオ・マッシ、音楽フランチェスコ・デ・マージ、出演クレイグ・ヒル、ジョージ・マーティン、スージー・アンダーソン、アルド・サムブレル、アンドレア・ボシック、ハワード・ロス、ホセ・マヌエル・マルティン

クレイグ・ヒルの主演の本作品はマカロニウエスタンの中でも異彩を放っている1本と言える。2組の暴力集団が対立抗争を繰り返しているという設定は「荒野の用心棒(64)」や「続・荒野の用心棒(65)」などで定着したひとつのパターンだが、今回の主人公は、そこに現れた流れ者の一匹狼などではない。なんとクレイグ・ヒルとジョージ・マーティンは、その対立する2組のならず者集団のボスに扮しているのである。しかも、対立する彼らが単に抗争するという話ではなく、包囲された砦の中という閉ざされた空間に押し込められ、協力せざるを得ないという状況に陥ってしまう設定が見事だ。

ならず者集団のリーダーであるビル(クレイグ・ヒル)の一団は、父の仇を討って逃走するカッセル(ジョージ・マーティン)率いるグループの後を追う。しかし、途中で協定を結ぶことになった両グループは、牧場を持つ未亡人の一家に宿を借り、納屋に泊めてもらうことになる。ところが、翌朝彼らが目にしたのは皆殺しにされている一家の姿だった。状況から判断して彼らが疑われることは当然だ。保安官の追跡をかわしながら彼らは古い砦に逃げ込むが、周囲は保安官(アントニオ・モリノ・ロホ)の一団に囲まれてアリ一匹はい出るすきもない。2つのならず者集団は砦の中で反目しあいながらも、生き延びるために協力せざるを得なくなっていく。

様々な方法で砦からの脱出を試みる彼らだが周囲の守りは堅く、仲間は1人また1人と倒れていく。砦に閉じ込められた2組の荒くれ男達の数が同じ程度で、しかもグループ内の結束がかたいため、すぐにグループ間に対決ムードが生じて緊張感を高める。更に、ストイックなビルに比べてカッセルの方は欲望のままに行動するタイプとして設定されているため、ひょっとしてジョージ・マーティンが裏切るのではないかという不安を抱かせ、だれが最後まで生き残るのかという興味が高まってくる。

ラスト、砦に火を放たれ、生き残った2人が死ぬ前に決着をつけるために決闘する場面も悲愴感と迫力が十分である。惜しまれるのは濡れ衣が簡単に晴らされてしまい、無実の罪で死んだ10人以上の仲間の死が無駄死にであったという印象を抱かせる点だ。しかし、従来のマカロニウエスタンのパターンを打ち破り独自のストーリー展開でひっぱる価値ある異色作だ。