「サンセバスチャンの攻防(68)」

I CANNONI DI SAN SEBASTIAN(伊)「サンセバスチャンの大砲」、GUNS FOR SAN SEBASTIAN (英)「サンセバスチャンの銃」劇場公開作品

カテゴリー( Hollywood actor)

監督アンリ・ベルヌイユ、脚本ミゲル・モライテ、エンニオ・デ・コンチーニ、ジェームス・ウエッブ、撮影アルマン・ティラール、音楽エンニオ・モリコーネ、出演アンソニー・クイン、チャールズ・ブロンソン、アンジャネット・カマー、ハイメ・フェルナンデス、シルビア・ピナル、レオン・アスキン

マカロニウエスタンの最盛期に制作された多国籍西部劇。実際は西部劇というよりも、西部開拓より少し前の時代を描いた米、英、仏、メキシコ、そしてイタリア資本の多国籍アクション大作というべきだろう。多くの予算が費やされスケールの大きなスペクタクル作品に仕上がっている。

盗賊のレオン・アラストレー(アンソニー・クイン)は軍隊から追われて逃げ込んだ教会でヨゼフ神父(サム・ジェファー)に助けられる。レオンを匿い助けたことによって神父は、メキシコの寒村サンセバスチャンへ降格して派遣されることになる。恩義を感じたレオンは、年老いた神父を守ってしぶしぶ共に旅することになるが、赴任先は荒れ果てた不毛の土地で、村人はならず者テクロ(チャールズ・ブロンソン)の一味から虐げられていた。そんな中銃弾にたおれた神父に間違われたレオンは、神父の後を継ぎ、村を救うためのダムの建設や教会の立て直しに尽力を始めるのだった。

レオンの一番の懸念は侵入者たちを憎む先住民ヤキ族の存在だった。レオンは美しい野生の白馬をヤキ族の酋長ゴールデン・ランス(ハイメ・フェルナンデス)にプレゼントすることで和平を結ぶことに成功する。しかし、インディアンとの混血で自らの血に屈折した思いを持つテクロは、村人とヤキ族が友好関係になることを快く思わず、ゴールデン・ランスを焚きつけて村を襲撃させる。激しい攻撃に村人総出で築いた城壁も破壊されるが、起死回生の手段として進軍するヤキ族の前でダムを決壊させレオンは村を守り抜く。

やがて、村には若い新しい神父が赴任して来る。もはや自分の役割はここまでと悟ったレオンは、一人で静かに村を離れていく。しかし、その後には、彼を慕う村娘キニタ(アンジャネット・カマー)姿があった。主人公、盗賊のレオンが徐々に村人のために尽くすことに喜びを感じ、命がけで村を守るために戦う物語はアメリカ的。登場人物の会話の中に、人種差別の問題をからめながらも、愛するキニタと二人で旅立つラストは清々しい後味を残す。さらに、素晴らしい点はやはり、エンニオ・モリコーネの音楽。勇壮なかつ流麗なテーマを全編に渡って聞かせてくれる。