「スレッジ(71)」

SLEDGE(伊) 「スレッジ」、 MAN CALLED SLEDGE(英)「スレッジという男」劇場公開作品

カテゴリー( Hollywood actor)

監督ビック・モロー、脚本ビック・モロー、フランク・コワルスキー、撮影ルイジ・クベイレル、音楽ジャンニ・フェリオ、出演ジェームズ・ガーナー、デニス・ウイーバー、クロード・エイキンズ、ジョン・マーレイ、ラウラ・アントネリ、ウエイド・プレストン、ブルーノ・コラッツァーリ、トニー・ヤング、ケン・クラーク

この作品もまたディーノ・デ・ラウレンティスがプロデュース、多くの米国俳優が出演しTV「コンバット」のサンダース軍曹ビック・モローが初監督を努めた、米国製としか見えない作品。しかし、非情なストーリー展開、壮絶な銃撃戦は生粋のマカロニウエスタンだ。

一獲千金を夢見る盗賊団の首領ルーサー・スレッジ(ジェームズ・ガーナー)は、酒場でのトラブルで知り合った老人(ジョン・マーレイ)から、輸送される30万ドルもの砂金が監獄に一時保管されているという情報を得る。輸送隊の警備は厳重で、とても強奪は不可能と踏んだスレッジとその一味は、砂金が保管されている監獄そのものに目をつける。腹心の部下ワード(デニス・ウイーバー)を保安官に仕立て、捕らえられた風を装って監獄に囚人として潜り込んだスレッジは、囚人たちの脱獄を扇動し、そのすきを狙って砂金の強奪を図る。

この砂金強奪が、あまりに簡単に運びすぎるところが本作の残念なところ、しかし、マカロニウエスタンの基準から言えば、この程度の矛盾には目をつむるべきだろう。結局、老人の記憶のみを頼りに金庫の番号を合わせるという奇跡的な方法で砂金をそっくり手に入れるものの、強奪戦の最中に、最も信頼していた部下であったワードが、スレッジに恨みを抱くリプリー保安官(ウエイド・プレストン)から射殺されてしまう。リプリーを決闘で倒し、ワードの仇を討ったもののスレッジの心には大きな虚無感が生まれた。残った部下たちは、金のことしか頭にない粗野な連中ばかり。彼らはせっかく手に入れた砂金を賭けたポーカーゲームを始めてしまう。

結局、ポーカーの腕前も飛び抜けているスレッジが独り勝ちしてしまったことから、部下たちはスレッジに反逆。彼の唯一の心のよりどころだった愛人のリア(ラウラ・アントネリ)を人質に取り、全ての砂金を渡すように要求する。金を部下たちに引き渡したものの、リアは殺害され、怒りに燃えたスレッジはかつての部下たちを皆殺しにして、結局、砂金の行方もわからなくなってしまうというハードな結末を迎える。

不気味な葬送の列が通る横で繰り広げられる銃撃戦や、負傷した主人公が十字架を添え木代わりにして腕に拳銃をくくり付け決闘に臨むなどマカロニ的お膳立ても十分。米国の西部劇ではコミカルで明るいキャラクターを演じることが多いジェームズ・ガーナーだが、ここでは金に執着する非情なヒーローを演じている。しかし、カウボーイの仕事着であるチャップスを着用したスタイルや、金を手に入れることより人質にとられて殺された愛人のリアの仇討ちを選択するという結末などは、やはりアメリカ的。それまでは、協力していた仲間同士が金のために卑怯な手段を使って奪い合いを始めるという展開もマカロニにはよくあるが、人の良さそうな米国俳優クロード・エイキンズあたりが演じると何となく違和感があり後味の悪いものになってしまうから不思議だ。