「真昼と呼ばれた男(74)」

LO CHIAMAVANO MEZZOGIORNO(伊)「真昼と呼ばれた男」、MAN CALLED NOON(英)「真昼と呼ばれた男」劇場未公開

カテゴリー( Hollywood actor)

監督ピーター・コリンソン、脚本スコット・フィンチ、ピーター・コリンソン、撮影ジョン・カブレラ、音楽ルイス・エンリケス・バカロフ、出演リチャード・クレンナ、ステファン・ボイド、ロザンナ・スキャフィーノ、ファーリー・グレンジャー、パティ・シェパード、アンヘル・デル・ポーゾ、アルド・サムブレル

「ランボー」シリーズでトラウトマン大佐を演じている米俳優リチャード・クレンナが主演、英国のピーター・コリンソンが監督したイギリスが中心となって制作された作品。しかし、イタリアの資本もしっかりと絡んでいるため立派にマカロニウエスタンの範疇に入るだろう。

暗殺者の手によって傷を負わされ、そのために記憶を失ったガンマン、ヌーン(リチャード・クレンナ)が、自らの過去を取り戻すためにジョナスという仮の名を名乗り ながら、さすらいの旅をする。途中で知り合った流れ者ライムス(ステファン・ボイド)や牧場の娘ファン(ロザンナ・スキャフィーノ)の協力で彼は過去の記憶を少しずつ取り戻していくのだった。やがて、彼の命を狙っていた真犯人は、ヌーンの家族を殺した悪徳判事のミランド(ファーリー・グレンジャー)とペグ(パティ・シェパード)の兄妹一味の仕業であることが明らかになる。

冒頭から、主人公が狙撃される場面から始まるため、ヌーンの正体が不明のままで、単純な復讐物語とは異なる謎解きを中心とした複雑なストーリー構成になっている。しかし、クレンナとボイドもマカロニ独特のガンアクションをふんだんに見せ、中盤の廃墟を舞台とした撃ち合いや、山小屋を舞台とした後半の激しい銃撃戦に代表される豊富なアクションはなかなかの迫力。最後にはロザンナ・スキャフィーノとパティ・シェパードが女同士、1対1の決闘で勝負を決めるという珍しい対決シーンも準備されている。

そして、それ以上に見事なのが、 斜め上から下から遠距離からと様々なアングルで撮影され、配色にも工夫が凝らされた美しいカメラワーク。そして、その画面にぴったりの雄大な風景を連想させるルイス・エンリケス・バカロフ作曲による透明感溢れるメロディなど、すべての要素が水準を越える出来栄えに仕上がった秀作だ。