「悪魔がコルトを手にするとき(68)」

QUANDO SATANA IMPUGNO LA COLT(伊) 「悪魔がコルトを手にするとき」、 AWKWARD HANDS(英)「不器用な手」

カテゴリー(Peter Lee Lawrence)

監督ラファエル・ロメロ・マルチェント、脚本ホーキン・ロメロ・マルチェント、サンティアゴ・モンカダ、撮影ミゲル・フェルナデス・ミラ、音楽アントニオ・アブリル、出演ピーター・リー・ローレンス、アルベルト・デ・メンドーサ、ピラール・ベラスケス、アントニオ・カサス、アントニオ・ピカ、アルド・サムブレル、ルイス・インドーニ、アントニオ・モリノ・ロホ、マニュエル・デ・プラス

牧場で働く若者ピーター(ピーター・リー・ローレンス)は、牧場主ウォーレン(アントニオ・カサス)の娘ドロシー(ピラール・ベラスケス)と恋仲になっていた。しかし、ウォーレンは、ドロシーを金持ちの地主ジョニー・ラッティン(マニュエル・デ・プラス)の嫁に出す腹積もりであったため、ピーターとドロシーの結婚を許さないばかりか、ピーターを鞭打った挙句に砂漠に放置するという仕打ちに出る。

ピーターを救ったのは流れ者の賞金稼ぎラティモア(アルベルト・デ・メンドーサ)であった。事情を知ったラティモアは、ピーターを彼の拳銃の師匠である中国人の老人チャン(ゲネ・レイエス)に預ける。チェンの拳銃指南は東洋の思想にのっとった風変わりなものであった。チャンの元で拳銃使いとしての奥義を身に着けたピーターが故郷の牧場に舞い戻ると、ドロシーは婚約者ジョニーから裏切られ、今や娼婦に身を落としていた。ピーターを追放したドロシーの父親ウォーレンを鞭で叩きのめすと、黒幕の牧童頭テッド(アントニオ・ピカ)やドロシーを破滅へと追いやった憎きジョニーを射殺し、ピーターは次々に復讐を果たしていく。ついにドロシーを娼館から救い出したピーターは二人でささやかな幸せをつかんだかに見えた。しかし、懸賞金が掛けられたピーターを恩人であるはずのラティモアが獲物としてつけ狙いはじめるのだった。

カンフーの達人が若者に特訓を施すという香港のカンフー映画のエッセンスをマカロニに取り入れた新機軸といえるだろう。ラストは兄弟弟子での緊迫感ある決闘になるが、ラティモアを倒したピーターがドロシーに歩み寄った瞬間崩れ落ちるという処理は、作者の狙いとは逆に結末をあいまいにしてしまい、爽快感を奪う結果となっている。

また、中盤でラティモアが、賞金首の一味を一掃するエピソードが挿入されるのだが、これが、伝染病患者が徘徊する町という設定で、病人があたかもゾンビのごとく扱われている。同じくピーター・リー・ローレンス主演の「情無用のガンファイター(68)」では、精神病患者が同様に扱われる場面があったが、当時はこうした人権への気配りなど無視した作品が公然と制作されていたことが、ある意味驚きでもある。