「情無用のガンファイター(68)」

UNA PISTOLA PER CENTO BARE(伊)「100の棺桶のための拳銃」、PISTOL FOR A HUNDRED COFFINS(英)「100の棺桶のための拳銃」劇場未公開、TV公開題名「情無用のガンファイター」

カテゴリー( Peter Lee Lawrence)

監督ウンベルト・レンツィ、脚本マルコ・レット 、ビットリオ・サレルノ、ウンベルト・レンツィ、撮影アレハンドロ・ウロア、音楽フランチェスコ・ラバニーノ、出演ピーター・リー・ローレンス、ジョン・アイアランド、エドワルド・ファハルド、ビクター・イスラエル、ピエロ・ルッリ、ラフ・バルドサーレ、グロリア・オスナ、フランコ・ベスチェ

ピーター・リー・ローレンスが主演し、殺された家族への復讐をテーマにした典型的なマカロニウエスタン。ローレンスが扮するのは敬虔なクリスチャンの若者ジム・スレード。戦争で人を殺すことを拒否したため投獄されていた彼が釈放され故郷に帰ると、両親は殺されていた。復讐のため真犯人を捜すジムは4人の仇を一人一人仕留めていく。

4人目の仇であるコーベット(ピエロ・ルッリ)を倒すため、町の保安官 になることを引き受けたジムは、コーベットの一味に潜入し、銀行強盗の手引きをする。ジムの手引きに従って町を襲ったコーベット一味をジムは、早撃ちの牧師(?)ダグラス(ジョン・アイアランド)らと協力して壊滅させる。しかし、ジムは、コーベットの口から真のボスはダグラスであることを聞かされるのだった。ダグラスはコーベットを裏切り、銀行の金を横取りする腹積もりだったのだ。ジムは、銀行から奪われた20万ドルを取り戻すため、そして、両親の仇を討つためダグラスと1対1の対決に挑むことになる。

ローレンスの格好良いガンプレイ、裏切り者の体に何発も弾丸を撃ち込むピエロ・ルッリの悪役ぶりなどマカロニ独特の雰囲気は持ち合わせている作品だが、本作品には今後、日本で公開されることは不可能であろうと思われるとんでもないシーンがある。エドワルド・ファハルドやビクター・ イスラエルら、超個性的な面々が演じる精神病患者たちが牢を抜け出して、町を恐怖に陥れるという本筋とは関係のないエピソードがそれだ。監督がホラー専門のウンベルト・レンツィだけに、そうした画面づくりをねらったものだったのだろうが、病人を怪物のように扱う、人権を無視した作品が堂々と制作され、かつ日本でテレビ公開までされていたことが、作品の出来不出来は別にして驚きである。

人殺しを拒否したはずの主人公が、両親の仇討ちとはいえ急に殺し屋のガンマンに変身するなどストーリーの破綻も多く、もう少し脚本が練られていればと惜しまれる。