「マクグレガーへのもう少しのドル(70)」

ANCORA DOLLARI PEL I MCGREGOR(伊)「マクグレガーへのもう少しのドル」、 MORE DOLLARS FOR THE MCGREGOR(英)「マクグレガーへのもう少しのドル」劇場未公開

カテゴリー(Peter Lee Lawrence)

監督ホセ・ルイス・メリノ、脚本ホセ・ルイス・メリノ、マリオ・コロンボ、撮影エマニエル・D・コーラ、音楽アウグスト・マルセリ、出演ピーター・リー・ローレンス、カルロス・クイニー、スタン・クーパー、マリア・メイファー、ビダル・モリーナ、マリサ・ロンゴ

ピーター・リー・ローレンス主演作品ではあるが、実質的な主演は冷酷な賞金稼ぎを演じるカルロス・クイニー。ゾロものやチャマンゴのシリーズではあまり冴えないキャラを演じてばかりのクイニーだが、本作での格好良さは抜群。髭面のニヒルな演技で主演のピーター・リー・ローレンスを食っている。

ジョージ・サンタナ(カルロス・クイニー)は、無抵抗の相手でも平気で射殺する情無用の賞金稼ぎ。彼が狙うお尋ね者は凶悪なジョー・サクソン(ビダル・モリーナ)だ。しかし、あくまで賞金目当てのサンタナは、一度はリンチにかけられそうになったジョーを助ける。賞金が上がり、最終的にそれを自らが手にするためだった。しかし、そのことが災いした。サンタナの恋人グラディス(マリア・メイファー)が大金を持っていることに気づいたジョーは、彼女を襲い殺してしまったのだ。愛する恋人の死を知り後悔と激しい悲しみに苛まれるサンタナ。このシーンは最初の冷酷な彼とのギャップが感じられてなかなかよい。

復讐を誓ったサンタナは、ジョーの後を追うが、この頃から、謎の若い風来坊ブロンディ(ピーター・リー・ローレンス)が彼の周囲をうろつくようになる。結局ブロンディの手を借りてジョーを倒し、グラディスの仇を討ったが、ブロンディの存在に言い知れぬ不安を感じるサンタナだった。とここまでは、快調な展開なのだが、ここからがまずい。いきなり話が急展開し、インディアンを奴隷のように酷使しながら金塊を探すお尋ね者スチューワート(スタン・クーパー)の一味からインデ ィアンを解放する話になってしまう。全く別の作品を鑑賞している印象だ。

スチュワートを倒して目的を達したサンタナはここで初めてブロンディがグラディスの弟であることを知る。姉を死に追いやった元凶であるサンタナに決闘を挑むブロンディ。一瞬早く銃を抜いたのはサンタナだったが、ブロンディの銃弾はサンタナの胸板をぶち抜いていた。倒れ伏す、サンタナの手に握られていたのは、ただの木切れだったのだ。ピーター・リー・ローレンス、カルロス・クイニー、スタン・クーパーそれぞれが、独自のマカロニファッションで格好よくきめたガンマンを演じているのもなかなか良いのだが。いかんせんストーリーがつながらないのが致命的な欠点。途中で余計なインディアンの話など挿入せずに、グラディスを巡る三者の関係に絞って物語を展開していけば、かなり面白いマカロニウエスタンが仕上がったであろうことを考えると大変残念だ。