「天に神、地にアリゾナ(72)」

DIO IN CIELO,ARIZONA IN TERRA(伊) 「天に神、地にアリゾナ」、 GOD IN HEVEN …ARIZONA ON EARTH(英)「天に神、地にアリゾナ」劇場未公開

カテゴリー( Peter Lee Lawrence)

監督ジョン・ウッド、脚本ホアン・ボスチ、ダニエル・オルトソーリ、撮影ジャンカルロ・フェルランド、音楽ブルーノ・ニコライ、出演ピーター・リー・ローレンス、ロベルト・カマルディエル、フランク・ブラーニャ、マリア・ピア・コンテ、カルロ・ガッディ

大変シンプルなストーリーだがマカロニの基本形はしっかり押さえてあり、ガンプレイや決闘シーンも程よく盛り込まれた、なかなかよくできた作品だ。ピーター・リー・ローレンス演じるアリゾナは賞金稼ぎ。久々に故郷の牧場に帰って来たアリゾナは牧場がスタイルス(フランク・ブラーニャ)という町のボスに乗っ取られ、彼の父もスタイルスから殺されていることを知った。悪の支配する町に乗り込んだアリゾナは、一味に逆らった農民たちの遺体が馬で引きずられている現場に出くわし、そのロープを断ち切ることでスタイルに挑戦する。

町にいたダフィー(ロベルト・カマルディエル)という男は、兄の牧場をスタイルスに奪われ、やはり彼に恨みをもっていた。アリゾナはダフィーの牧場にやっかいになることとなり、仲間の農民たちと力を合わせて一味の横暴に立ち向かう。一方スタイルスは目障りなアリゾナを消そうと凄腕のガンマン、タワーズ(カルロ・ガッディ)を雇い、アリゾナとの対決を仕向けるのだった。

物語にひねりやどんでん返しはなく、アリゾナは殺し屋タワーズを決闘で倒し、スタイルスの一味を全滅させて、父の仇を討つとともに、町に平和を取り戻す。ただ、悪党スタイルスの身を案じた彼の恋人ノラが土地の権利書をアリゾナに渡してスタイルスの命乞いをするという、調子はずれな展開もある。結局ノラは誤ってスタイルスに撃たれて死んでしまうのだが、恋人の死を嘆いたり、自ら決死の覚悟で主人公と戦ったりする悪党では、倒したあとの爽快感や安堵感が失われてしまう。悪党はあくまで凶悪でなければ面白くならない。

全編を通して流れる格好良い音楽は「サルタナ」の3作目のテーマ曲(「荒野のドラゴン」もこの曲)が転用されている。残念なことにローレンスはこの作品を撮影し終わった後、自殺(説)してしまい、この作品が遺作となった。