「32口径の殺し屋(67)」

KILLER CALIBRO.32(伊)「殺し屋32口径」、KILLER CALIBER.32「殺し屋32口径」劇場未公開、DVD公開題名「32口径の殺し屋」

カテゴリー(Peter Lee Lawrence)

監督アル・ブラッドレイ(アルフォンゾ・ブレスチア)、脚本エンゾ・ギカ、撮影フルビオ・テスティ、音楽ロビー・ポイテビン、出演ピーター・リー・ローレンス、アグネス・スパーク、コレ・キトシュ、アンドレア・ボスチ、マックス・ディーン、ジェニー・スレイド、エレーヌ・シャネル

ピーター・リー・ローレンス主演の1作品。彼は「KILLER ADIOS(69)」と同じく、スタイリッシュに決めたプロの仕事人を演じる。

カーソンシティ行きの駅馬車が襲われ銀行に輸送される途中の金が強奪される。しかも、証拠隠滅のため、乗客は皆殺しにされていた。唯一の情報は、7人組の覆面をした強盗団が犯人らしいということだけだ。さらなる襲撃を恐れた銀行家アベレル(アンドレア・ボスチ)は、凄腕で知られ、1000ドル以下の仕事は請け負わないという、ガンマンのシルバー(ピーター・リー・ローレンス)に真相究明と一味の壊滅を依頼した。必ず相手が銃に手を掛けた後に抜いて仕留め、殺しには32口径用の銀の弾丸を使うというエレガントな仕事ぶりがシルバーという名前の由来だ。

シルバーは、事件の調査を始め、彼の命を狙 って来た真犯人たちを次々と倒していく。6人目の敵は、信頼していた相棒のスポット(コレ・キトシュ)だった。しかし、真の黒幕である7番目の敵の正体はなかなか明らかにならない。しかし、酒場の女主人ドリー(エレーヌ・シャネル)の誘惑がきっかけとなり金強奪の真の黒幕はなんと依頼主の銀行家アベレル自身であったことが明らかになる。真相は、銀行の金を横領していたことをカモフラージュするための狂言強盗であった。

金をもって逃げようとしていたアベレルの馬の鐙を長距離から狙撃して断ち切るシーンは、マカロニらしいカッコよさ。ラストは納屋に逃げ込んだアベレルを追って、暗闇での対決となり、柱に縛り付けた拳銃を発砲させて敵を牽制したすきに投げナイフで決着をつけるという新趣向が用意されている。やたらとポーカ ーに興じるシーンが長く続き、撃ち合いの場面がやや少な目なのが欠点だが、ロビー・ポイテビン作曲の格好良い音楽とアニメーションを生かしたタイトルが雰囲気を盛り上げている好作品だ。

また、それまでの薄汚れたスタイルのヒーローが泥まみれになって復讐を遂げるというパターンと異なり、スタイリッシュで、余裕たっぷりの主人公が、難事件を解決するという展開は、その後のサバタやサルタナシリーズの原型がこの作品にあるということもできる。