「つむじ風のキッド(67)」

E DIVENNE IL PIU SPIETATO BANDITO DEL SUD (伊)「南部で最も冷酷と噂された盗賊」、MAN WHO KILLED BILLY THE KID(英)「ビリーザキッドを殺した男」劇場公開作品

カテゴリー( Peter Lee Lawrence)

監督ジュリオ・ブックス、脚本フェデリコ・デ・ウルティア、ジュリオ・ブックス、撮影ミグエル・フェルナンデス・ミラ、音楽ジャンニ・フェリオ、出演ピーター・リー・ローレンス、ファウスト・トッツイ、ディラニク・ザウラコウスカ、グロリア・ミランド、アントニオ・ビカ

ご存じ、ビリー・ザ・キッドをそのイメージにピッタリのピーター・リー・ローレンスが演じたローレンスの代表作。マカロニ版「左利きの拳銃」である。「左利きの拳銃」でポール・ニューマンが演じた以上にピーター・リー・ローレンスはビリー・ザ・キッドそのものといった風情。

父をなくし、牧場を守る母に執拗ないやがらせをする男を殺したことから彼の無法者としての人生は始まる。母の元を飛び出して逃亡生活を始めたビリー(ピーター・リー・ローレンス)を守ろうと、彼にとって父親代わりでもあった保安官パット・ギャレット(ファウスト・トッツイ)が彼の減刑のために奔走する。しかし、ビリーは意に反して迫りくる刺客を次々に殺して罪を重ねていくのだった。

やがて、強盗まで働くようになったビリーだったが、牛泥棒の罪を許して解き放ってくれた牧場主タンストール(ルイス・プレンデス)の牧場で働くことになり、タンストールの娘ヘレン(ディラニク・ザウラコウスカ)と互いに愛し合うようになる。しかし、そんな幸せな日々もつかの間タンストールは対立する牧場主マーフィー(カルロス・カサビリア)が雇った殺し屋マーク(アントニオ・ピカ)に暗殺されてしまうのだった。

長年対立していたビリーを含むタンストール牧場とマーフィー牧場は銃撃戦を展開するが、軍を抱き込んだマーフィーたちの反撃に合い、タンストール側は敗れる。逃亡したビリーは、タンストール牧場の残党たちと強盗団を結成、再び悪事を重ねるようになる。ビリーの首には5000ドルの賞金が懸けられるものの、ここもギャレット保安官の努力で非はマーフィー側にあることが証明され、ビリーには恩赦が下された。故郷へ帰ろうとするビリーに殺し屋マークが挑戦してくるが、足を洗うことを決心したビリーは彼の銃を撃ち落とすだけで止めを刺さなかった。

しかし、故郷に戻ったビリーに人々は冷たい。母親はすでに他界しており「お前が母親を殺したんだ!」という町民の罵りにビリーは我を忘れて拳銃を抜く、もはや、ビリーにとって拳銃を抜くことは生きることそのものと同義になっていた。またもや逃亡者となった孤独なビリーが向かう場所は愛するヘレンの元しかなかった。ヘレンはビリーと共に旅立つことを承諾する。ビリーを追って来たパット・ギャレットもビリーとヘレンの逃避行に目をつぶる。希望へ向かって旅立とうとした刹那、一発の銃弾がビリーの 胸を貫いた。遠距離から狙い撃ったのはマークだった。二人の旅立ちを見送ろうとしていたパット・ギャレット保安官は、無法者ビリー・ザ・キッドを殺した名保安官として名を残すことになったのだった。

それまでのビリー・ザ・キッドものとは異なるマカロニらしいラストシーン。ローレンス演じるビリーの姿が観る者の心に強く印象づけられる結末であった。ジャンニ・フェリオの手になる音楽も徐々に盛り上げていく雰囲気が素晴らしい名曲である。