「荒野の賭博師(65)」

CINQUE MILLE DOLLARI SULL’ASSO(伊)「エースの上の5000ドル」、FIVE THOUSAND DOLLARS ON ONE ACE(英) 「エースの上の5000ドル」劇場未公開

カテゴリー「Robert Woods」

監督アルフォンゾ・バルカザール、脚本ヘルムート・ハーラン、アレクサンドロ・コンティネンサ、ホセ・アントニオ・デ・ラ・ローマ、撮影クリスチャン・マトラス、ロベルト・リアル、音楽フランチェスコ・ラバニーノ、出演ロバート・ウッズ、フェルナンド・サンチョ、マリア・セルバルト、ヘルムート・シュミット

「荒野の賭博師」の名前でドン・ポウエル歌う主題歌は早くから日本で紹介されていながら、映画の実態はなかなかつかめなかった。実際はアルフォンゾ・バルカザールが監督し、フェルナンド・サンチョがとぼけた味のならず者カランチョを演じるカランチョシリーズもの1作。アメリカ人俳優ロバート・ウッズが初めてマカロニに招かれて主演した記念すべき作品でもある。

ポーカーゲームのトラブルで町を追い出された賭博師と、その相棒が、町のボスから土地を狙われている牧場の姉弟を助けて戦う。牧場の権利を賭けたゲームで勝ったものの、逆上した相手を殺した賭博師のジェフ・クレイトン(ロバート・ウッズ)は、権利を得た牧場に向かう途中、砂漠で置き去り にされているメキシコ人の泥棒カランチョ(フェルナンド・サンチョ)を助ける。ところが、サンチョは恩人のジェフを置き去りにして馬と金を奪い去ってしまう。砂漠を歩いてやっと目指す牧場にたどりついたジェフだったが、手に入れた牧場は若い姉ヘレン(マリア・セルバルト)と弟のデビットが懸命に守っている土地だった。仕方なくジェフは、共同経営ということで妥協する。

このあたりは、初期のマカロニウエスタンらしく、米製西部劇のような善人ぶりが際立つ。牧場は悪徳弁護士のダンディー(リチャード・ハウスラー)が狙っており、彼が雇ったならず者のジミー(ヘルムート・シュミット)一味が牧場に火を放ったり、銀行家殺しの罪をデビットに着せたりとさんざん嫌がらせを仕掛けてくる。そんな姉弟の危機を共同経営者となったジェフといつのまにか相棒になってしまったカランチョが救っていく。

殺人の汚名を着せられたデビットをジェフが追跡して撃ち殺したと見せて助けるなど、ちょっとした工夫があり、作品として大きな破綻もないところは合格点が与えられる。ラストはジミーを決闘で倒し、さらにヘレンを人質に とったダンディーの不意を突いてカランチョが隠し持った投げナイフで勝負を決めるという二重のクライマックスも用意してある。ちなみに、マリアの弟デビッド役をジャコモ・ロッシ・スチュワートとしてある資料が多いが、デビッド役は彼ではない。