「ブラック・ジャック(68)」

BLACK JACK(伊)「ブラック・ジャック」,BLACK JACK(英)「ブラック・ジャック」劇場未公開

カテゴリー(Robert Woods)

監督ジャン・フランコ・パルダネロ、脚本ルイジ・アンブロシーニ、アウグスト・フィノッチ、マリオ・マッフェイ、ジャン・フランコ・パルダネロ、撮影マリオ・フィオレッチ、音楽ラロ・ゴーリ、出演ロバート・ウッズ、ミンモ・パルメラ(ディック・パルマー)、ルチエンネ・ブリドウ、リック・バタグリア

今回ロバート・ウッズが演じるのは銀行強盗一味のボスであるジャック。周到な計画で見事強奪に成功したものの、分け前をめぐって仲間割れを起こしてしまう。というより、ジャックは、なんと手下達の分け前をすべて奪って逃走してしまうのだ。主役ではあっても、ジャックは完全な悪党である。

怒りに燃えてジャックの後を追う手下達。ジャックは手引きをしてもらったインディアン・ジョー(ミンモ・パルメラ)の裏切りに合って隠れ家を発見され、首吊り状態のまま右手にナイフを刺された上に、両足まで撃ち抜かれて放置されるという凄まじいリンチを食らう。さらに、裏切ったインディアン・ジョーは、横恋慕していたジャックの妹に暴行してさらに頭の皮を剝ぐという残忍さ。絶望的な状態で、そのまま置き去りにされたジャックだが、たまたま通りかかった恋人スーザンに救出される。ここはあまりにご都合主義で、不自然だが、これもまたマカロニウエスタンの特徴というべきか。

ここからが奇跡的に命を取り留めた彼の復讐劇。傷が癒えても足は思うように動かせず、杖をつきながら足を引きずって歩くジャックの姿が凄みを増している。分け前をもらって解散した1人1人の元へ現れ、自らになされた以上の方法で報復していくジャック。兄弟で同士討ちさせる、村人を扇動してリンチにかける、両足を撃ち抜いて馬に引きずらせる、髪の毛を使って絞め殺す、実の娘を人質に取って脅すなど。主人公を含めすべての登場人物が悪党であるため、情や慈悲とは無縁の凄惨なシーンの連続。

ならず者が主人公であるマカロニウエスタンならではの凄みのあるストーリー展開といえるだろう。ラストは、最後の報復相手であるスキナー(リック・バタグリア)の娘を人質にとり、ゴーストタウンに立てこもるジャック。彼は、妹の婚約者であったピーターといっしょにスキナーの一味を迎え撃つ。一味との銃撃 戦の結果スキナーの手下たちを皆殺しにしたジャックは、娘の命だけは助けてくれと懇願するスキナー目の前で娘を殺そうとするのだが、あまりの卑劣さにそれまで協力してきたピーターから逆に殺されるという皮肉なラスト。

非常に後味が悪く、どのキャラクターにも感情移入できないが、登場人物全てが悪党という謳い文句に偽りなしの作品だ。なお、最終的にジャックがスキナーを撃ち殺して復讐を完遂して終わりというドイツ語版の(ハッピーエンド?)バージョンも存在する・。