「墓標には墓標を(64)」

I TRE SPIETATI(伊)「3人の非情な奴ら」、GUNFIGHT AT HIGH NOON(英)「白昼のガンファイト」、劇場未公開、TV公開題名「墓標には墓標を」

カテゴリー(Richard Harrison)

監督J・R・マルチェント、脚本J・R・マルチェント、ラファエル・ロメロ・マルチェント、ヘスス・ナバロ、撮影ラファエル・パチェコ、音楽リズ・オルトラーニ、出演ロバート・ハンダー、リチャード・ハリスン、ビリー・ハイデン、グロリア・ミランド、フェルナンド・サンチョ、ルイス・インダーリ、グロリア・オズナ

リチャード・ハリスンとロバート・ハンダーが兄弟に扮する異色作。幼いころにならず者の集団に父を殺された3人の兄弟チェット、ブラッド、ジェフ(ロバート・ハンダー、ミゲル・パンツェーラ、リチャード・ハリスン)の3人は成長してそれぞれの道を歩みはじめる。復讐の念にかたまった母親ルイーズ(グロリア・ミランド)や長男のチェットから距離をとるため法律を学ぶ希望を持っていたジェフは離れた町の保安官となる。一歩チェットはルイーズの願いに応えようと、仇を捜しては一人一人始末していく。やがて消息が明らかになった最後の仇は、末の弟ジェフの恋人スーザン(グロリア・オズナ)の父ウエストフォール(ルイス・インダーリ)であることが判明する。あくまで法の手によって裁こうとする末弟ジェフと好戦的な長男チェットとの間に対立と葛藤がはじまる。

ハンダー演じるチェットは、自らの流儀を貫き、ジェフを殴り倒すとウエストフォールを留置所から連れ出しルイーズの元に連行しようとする。ジェフは、助手たちと共に二人を追跡する。しかし、逃亡を図ったウエストフォールから銃弾を撃ちこまれたチェットはウエストフォールを倒して仇討ちを果たしながら、自らも命を落とすのだった。彼の亡きがらにすがりつきながら母親が絶叫するシーンに重なるリズ・オルトラーニ作曲による音楽がエルマー・バーンスタイン風で印象的。中頃にはロデオ大会の様子なども描写され、予算を多く使って米国西部劇に近い雰囲気を出そうとしていることがよくわかる。

ロバート・ハンダーは悪役を演じる方が本人の個性に合っているようで、作品中でも生き生きしていた。また3兄弟対ならず者の3対3の決闘シーンもあり、マカロニウエスタンが世界的に認知される以前の作品の中では、しっかりしたストーリー、西部劇らしい風景に、要所を締めるガンファイトなど、大変レベルの高い好作品だ。