「赤い砂の決闘(63)」

2021-04-04

DUELLO NEL TEXAS(伊)「テキサスの対決」、GUNFIGHT AT RED SANDS(英)「赤い砂の決闘」劇場公開作品

カテゴリー(Richard Harrison)

監督リチャード・ブラスコ、脚本アルバート・バンド、リチャード・ブラスコ、撮影マッシモ・ダッラマーノ、音楽エンニオ・モリコーネ、出演リチャード・ハリスン、ジャコモ・ロッシ・スチュワート、ミカエラ、サラ・レザーナ、ダン・マーティン

日本で初めてマカロニウエスタンらしいマカロニウエスタンが公開された記念すべき第1作。養父の仇を討つため故郷の町へ帰って来たグリンゴという名を持つ男が義理の弟たちと協力して町の悪徳保安官を倒すまでが描かれる、しっかりと脚本が練られ日本で劇場公開されたことも納得できる作品だ。リチャード・ハリスンとジャコモ・ロッシ・スチュワートという2人の主人公の相性は良いのだが、これといって特徴が挙げられないのが残念。

メキシコ人農夫のマルチネスは、アメリカ人の孤児リチャード(リチャード・ハリスン)を引き取って、息子のマヌエル(ダン・マーティン)と兄弟のように育てていた。グリンゴと仇名されるようになったリチャードが革命軍に身を投じている間に、マルチネスが強盗に襲われて、蓄えた金を強奪されるという事件が起きた。白人に馬鹿にされたマヌエルが意地を張って砂金を見せびらかしたことが原因だった。

リチャードは故郷に戻り真犯人を捜し始めるが、殺人の濡れ衣を着せられて保安官のコーベット(ジャコモ・ロッシ・スチュワート)に逮捕されてしまう。一方独自に探り始めたマヌエルは、酒場の経営者ステッドマン(バルタ・バリ)の屋敷で奪われた金を発見する。留置所に拘留されていたリチャードはマヌエルに救出され、マルチネス牧場を襲った犯人の馬の蹄鉄がコーベット保安官の物と同じであることをつきとめる。ステッドマンとコーベットはグルになって、砂金のとれるマルチネス牧場を我が物にしようとしていたのだ。

リチャードを追跡する途中で誤って恋人のマリア(ミカエラ)を殺してしまったコーベットは失意のうちに町へ引き返すが、そこにはコーベットの悪事を暴く証拠を持ったリチャードが待ち構えていた。決着をつけるための1対1の決闘が始まる。悪役のジャコモ・ロッシ・スチュワートが恋人を失った悲しみの中で主人公との対決に臨むという展開が悪役の凶暴さを奪ってしまっている。

しかし、マカロニウエスタンも黎明期であり、アメリカの西部劇に対するコンプレックスも大きかった時期の作品である。多くを望むことは酷だろう。イタリア製西部劇の価値を日本中に知らしめるためには、やはり「荒野の用心棒(64)」の登場を待たなければならないのだ。しかし、そんな中でも、ドン・サビオの変名でエンニオ・モリコーネが作曲したテーマは、小編成の楽団演奏ながらさすがに聞かせる。