「復讐の長き追跡(72)」

LA LUNGA CAVALCATA DELLA VENDETTA(伊)「復讐の長き追跡」、DEADLY TRACKERS(英)「死の追跡」劇場未公開

カテゴリー( Richard Harrison)

監督(トニノ・ボチア)、脚本トニノ・ボチア、撮影ロモロ・ゲアオーニ、音楽カルロ・エスポジト、出演リチャード・ハリスン、アニタ・エクバーグ、オメロ・ガルガノ、ジョージ・ワン、リック・バタグリア、メン・フューリー、フリオ・メニコーリ、ダダ・ギャロッティ

73年にアメリカで「DEADLY TRACKERS」という同じ題名の作品が作られているので注意を要する。しかも、米製の方の主演はリチャード・ハリスというのだから話はややこしい。

兄のジェフ・カーター(リチャード・ハリスン)が戦争で出征している間、一人で牧場を切り盛りしていた妹のデボラは、牧場を鉄道会社に譲渡することを決意し、20万ドルを受け取る。ところが、そのことを知ったカーター家の使用人ジェローム(オメロ・ガルガノ)は、4人の悪党仲間を集め、デボラを襲うと暴行した挙句、20万ドルを奪って彼女を射殺してしまう。帰郷した兄のジェフは妹の死を知り、5人のならず者を一人ずつ倒していくという物語。

あまりの非道さに良心の呵責を感じたジェロームは、デボラの遺体に彼のポンチョを掛けていたのだが、ジェフは仇を一人倒すごとにポンチョの切れ端をその場に残していく。これは、同じくリチャード・ハリスンが主演した「JOKO,INVOCA DIO…E MUORI(68)」と同じパターンだ。カルロ・エスポジトの音楽もマカロニムードをたっぷりと聞かせる佳曲で、撃ち合いの見どころも多いのだが、宿敵となる悪役の迫力不足が大きな欠点。

最後に倒す相手が婦女暴行強盗殺人犯である極悪人のジェローム。ところが、彼は自らの罪を悔いており、拳銃の名手というわけでもないので、極悪非道の悪党を倒すという爽快感が得られない。結局命乞いしながら逃げ出すジェロームを撃ち殺して幕となる。最強の敵となる山賊のボス、モンタナ(リック・バタグリア)一味との戦いが冒頭から描かれ、時間的に逆転する形でそれまでの流れが描かれるという独自の構成もあまり効果をあげていない。