「十字架の用心棒(68)」

ANCHE NEL WEST,C’ERA UNA VOLTA DIO(伊)「神は同時に西部に降臨したもう」、BETWEEN GOD,THE DEVIL AND A WINCHESTER(英)「神と悪魔とウインチェスターの狭間に」劇場未公開、TV公開題名「十字架の用心棒」

カテゴリー(Richard Harrison)

監督ダリオ・シルベストリ、脚本マリノ・ギロラーミ、マルティン・レミス、ティト・カルピ、撮影パブロ・リポール、アルベルト・フーシ、音楽 カルロ・サビーナ、出演ギルバート・ローランド、リチャード・ハリスン、エンニオ・ギロラーミ、フォルコ・ルリ、ラフ・バルダサーレ

あれこれ解説するよりも、ストーリーから述べた方が分かりやすい。寂れた宿屋に不気味な迫力をもった流れ者(フォルコ・ルリ)がやって来た。何やら秘密をもっていそうな彼を狙ってならず者の山賊がやって来る。山賊から逃げる途中で命を落とした彼の持ち物から莫大な宝の隠し場所を示した地図が発見される。宿屋の息子の少年は牧師ジョーダン(リチャード・ハリスン)達とともに宝探しの旅に出発する。ガイドとして気の良い片腕の案内人ジェス(ギルバート・ローランド)を雇い入れるが、実は彼は山賊(首領はご存知ラフ・バルダサーレ)と通じていた。ここまで書いたら、察していただけると思う。この作品の原作は、スチーブンソン作「宝島」なのである。

よく考えてみれば、「宝島」のストーリーは海を西部に置き換えればウエスタンそのものになり得る。リブジイ先生役のリチャード・ハリスン、片足の海賊シルバー役のギルバート・ローランドなど、配役も絶妙。大いに期待させてくれたが、いかんせん海から山 に舞台が移ることで冒険物のスペクタクル感がなくなり、期待されたラストの撃ち合いも宝の箱に仕掛けたダイナマイトで山賊を吹き飛ばしてあっけなく方が付いてしまった。

しかし、この作品のように、名作をマカロニウエスタンのストーリーとして翻案したものもけっこうある。「巌窟王」が「復讐の4ドル(65)」に、「ロミオとジュリエット」が「荒野の墓標(67)」に、「ハムレット」が「ジョニーハムレット(68)」に「カルメン」が「裏切りの荒野(67)」にという具合に思いついただけでもいくつか挙げることができる。そうして見るとマカロニ化できる可能性をもった名作戯曲や文学はけっこう数がありそうである。