「まずは音楽、次には銃声(75)」

PRIMA TI SUONO E POI TI SPARO(伊)「まずは音楽、次には銃声」、TRINITY PLUS CLOWN AND A GUITAR(英)「トリニティと流れ者とギター」劇場未公開

カテゴリー(George Hilton)

監督フランソワ・ルグラン、脚本オレステ・コレスタッチ、マッシモ・タランティーニ、撮影マリオ・カプリオッティ、音楽グイド&マウリツィオ・デ・アンジェリス、出演ジョージ・ヒルトン、リカルド・タラモンティ、ピエロ・ルッリ、ペドロ・サンチェス、クリスタ・リンダ

70年代マカロニを代表するキャラクターとなったボロをまとったガンマン、トリニティ風の主人公をジョージ・ヒルトンが演じる。今回の腹巻きを思わせる赤い帯に小ぶりの帽子とペンダントといういで立ちはさしずめマカロニ版「フーテンの寅さん」。

ギターとともに流れ歩く風来坊のジョニー(ジョージ・ヒルトン)は辿り着いた町がエル・モロという謎のギャング一味から恐怖に陥れられていることを知る。町では保安官が次々と殺されるため、ついに大金を積んで伝説のガンマン、レッド・ジャックを雇うことにした。彼のトレードマークは三発の弾痕がついた赤いテンガロンハットだ。ところが、ジャックはあっさりと狙撃され赤いハットは川を流れていく。そのハットを拾ったのがやはり旅の途中だった臆病な小男ニック(リカルド・タラモンティ)。赤いハットを被って町に入ると彼は町中の大歓迎を受ける。このあたりの展開は「殺し屋がやって来た(66)」に大変良く似ている。しかし、元来臆病なニックがならず者と渡り合えるはずがない。そんな彼を陰からジョニーと軽業の一座の美女軍団が支えて黒幕の正体を暴いていくというストーリー。

エル・モロの正体はなんと町の神父(ピエロ・ルッリ)だっ たという展開が待っている。しかし、後期のコメディマカロニの常で、撃ち合う場面もほとんどなく、ジョニーが使う武器はいつも持ち歩いているギター、とはいっても中に銃が仕込んであるわけではなく、裏が鉄板になっている殴るための道具で、弾除けにも使えるという珍兵器だ。のんびりした戦いは定石通り殴り合いで決着がつく。

悪党たちもほとんど死ぬことはなく、結局、エル・モロも死んだことにして棺桶の中に隠れさせ、ジョニーが棺桶を引きずって町から脱出させてやるという緩く穏やかな結末となるのだった。