「拳銃無宿のバラード(66)」

2021-02-28

IL TEMPO DEGLI AVVOLTOI(伊)「禿鷹のとき」、 TIME OF VULTURES(英)「禿鷹のとき」劇場未公開、TV公開題名「拳銃無宿のバラード(企画倒れの可能性大)」

カテゴリー(George Hilton)

監督ナンド・チチェロ、脚本フルビオ・ギカ、撮影ファースト・ロッシ、音楽ピエロ・ウミリアーニ、出演ジョージ・ヒルトン、フランク・ウォルフ、パメラ・チューダー、エドワルド・ファハルド、フェミー・ベニッシュ

スティーブ・マックィーンの人気TVシリーズ「拳銃無宿」とマカロニの傑作「拳銃のバラード(67)」を合わせた、文字通り取ってつけたような題名でテレビ公開予定とされた作品。しかし、実際に公開された形跡は見当たらない。内容は、ジョージ・ヒルトン主演の「キトッシュシリーズ」のひとつ。

プレイボーイのカウボーイ、キトッシュ(ジョージ・ヒルトン)は雇い主ドン・ハイメ・メンドーサ(エドワルド・ファハルド)の妻ステフィー(パメラ・チューダー)との関係から、ドン・ハオメの怒りをかいリンチを食らって牧場からたたき出される。あてもなく、さまようキトッシュはやがて凶悪犯ジョシュア・トレイシー(フランク・ウォルフ)と行動を共にすることになる。しかし、トレイシーは、自分を裏切ったとして、目の見えない元妻のトラップス(マリア・グラツェラ・マルツカルキ)や仲間だったビッグ・ジョン(フランコ・バルドッティ)をなぶり殺しにするような残虐な男だった。

最初こそ、危機を救ってくれたトレイシーに恩義を感じていたキトッシュだったが、残虐なトレイシーとの距離を感じ始める。トレイシーとキトッシュは、彼が働いていたドン・ハイメの牧場を襲ってステフィーを誘拐し、身代金をせしめようとする。ところが、ドン・ハイメはステフィーのため身代金をもって単身彼らの元にやって来た。ドン・ハイメが妻ステフィーに向ける愛情を確認したキトッシュは、彼らを射殺しようとしたトレイシーについに引導を渡すのだった。中盤に描かれる金塊強奪戦では、ロケット砲の機能を備えたショットガンが登場したり、疾走する馬から後方回転して飛び降りて撃ったりと、アクションの見せ場は豊富。

しかし、甘いマスクの中に凄みと迫力を兼ね備えたヒルトンが、今回もお調子者の役を演じるためせっかくの個性があまり生かされていない。また、お人好しのおじさん風貌のフランク・ウォルフが演じる残虐なトレイシー役も、彼の個性には不向きだ。その一方で、ドン・ハイメを演じるエドワルド・ファハルドは、最後では妻を救うために尽力する“良い人”を演じているが、これはこれで似合っていたのは意外な見どころだった。