「荒野の金貨(68)」

LA PIU’GRANDE RAPINA DEL WEST(伊)「西部で最も偉大な泥棒」、GREATEST ROBBERY IN THE WEST(英)「西部で最も偉大な泥棒(原題)」劇場未公開

カテゴリー(George Hilton)

監督マウリツィオ・ルチディ、脚本アウグスト・フィノッキ、アウグスト・カミニート、撮影リカルド・パロティーニ、音楽ルイス・エンリケス・バカロフ、出演ジョージ・ヒルトン、ハント・パワーズ、ウオルター・バーンズ、ジェフ・キャメロン、エリカ・ブランク、マリオ・ブレガ、サル・ボージェス

マカロニ常連のジョージ・ヒルトンとハント・パワーズがダブルで主演、低予算ながら「復讐の用心棒(67)」のマウリツィオ・ルチディ監督の演出によりそれなりに楽しめる作品に仕上がっている。

西部のミドルタウンの町に聖アベラールの像を掲げた謎の牧師デビット(ハント・パワーズ)が現れる。彼は、ジャレット(ウオルター・バーンズ)率いる強盗団の一味で、銀行を襲い奪った金をアベラールの像の中に隠して町からの逃走を計っていたのだ。銀行強盗の計画は成功したが、強盗を阻止しようと奮闘した保安官マーティン・クーニー(エンツィオ・フィルモンテ)は、殺されてしまう。しかし、マーティンには、弟ビリー・クーニー(ジョージ・ヒルトン)がいた。ビリーは、どうしようもない放蕩者で、事あるごとに留置所に放り込まれ、誠実な兄を困らせていたが、その実は、生真面目な兄を心底慕っていたのだ。兄の死を知ったビリーは、留置所から自由に抜け出させるトリックを使ってジャレット一味への報復を果たしていく。

一方、牧師に変装したデビットも、ジャレット一味の非道なやり方に反感を感じて、一味を裏切ろうとしていた。奪われた金を巡ってビリーとデビットは対決するが、最後には手を組んで冷酷なジャレット強盗団を壊滅させる。ジャレットの手下たちは、マリオ・ブレガ、ブルーノ・コラッファーリ、ルチアーノ・カテナッチ、らマカロニの常連で固められており、マカロニファンとしては、安心して鑑賞できる。

ヒルトン演じるビリーの喧嘩友達で最後にはジャレットをダイナマイトで吹き飛ばす重要な役マークは、ジェフ・キャメロンが演じていた。ビリーの目的が兄の復讐でありながら、例のごとくのへらへら笑いで、真剣味に欠け、その目的が金か復讐かはっきりしない雑な作りと無理のあるストーリーのためか、テレビ公開された中でもあまり評判が良くない。しかし、雑なつくりはマカロニには当たり前のものであり、それよりも自警団に紛れて町を離れることを余儀なくされた強盗の一味が一人一人舞い戻ってくる展開や、ボスと一緒に吹き飛ばされた金貨が雨のように降り注いでくるラストなどが楽しく見られた。

カントリーウエスタン調で明るいバカロフの音楽も本作品のコミカルな部分によく合っている。なんと主題歌を歌っているのは、ハント・パワーズ本人だ。