「自分だけのために(68)」

OGNUNO PEL SE(伊)「それぞれが、自分だけのために」、THE RUTHLESS FOUR(英)「情無用の四人」劇場未公開

カテゴリー( George Hilton)

監督ジョルジョ・カピターニ、脚本フェルナンド・ディ・レオ、アウグスト・カミニート、撮影セルジオ・ド・オフィジイ、音楽カルロ・リスティケリ、出演バン・ヘフリン、ジョージ・ヒルトン、ギルバート・ローランド、クラウス・キンスキー、サラ・ロス、リック・ボイド、ハーディ・レイチェルト

ジョージ・スティーブンス監督の不朽の名作西部劇「シェーン」にもマカロニウエスタンに登場した俳優が3人いる。マカロニの常連となったジャック・パランス、「デザーター(71)」で若き将校に扮したあの坊やブランドン・デ・ウイルド、そして実直な父親役を演じていたバン・ヘフリンが本作品に主演している。

タイトルにもある金鉱掘りのサム・クーパー(バン・ヘフリン)が念願の金を掘り当てるが、その金の匂いを嗅ぎ付けて3人の男たちが集まって来るというもの。 この3人がひと癖もふた癖もありそうな連中、クーパーの養子のマヌロ(ジョージ・ヒルトン)、彼が連れて来たならず者ブレント(クラウス・キンスキー)、ブレントを怪しんでクーパー自らが用心棒として頼んだ旧友メイソン(ギルバート・ローランド)だ。雨中に三々五々集まってくる連中の描写はこれからの波乱の展開を予想させる見事なシーン。

彼らの後を追って黄金を横取りしようとした一味を4人で協力して撃退する場面は、ガンプレイの見せ場としても申し分なく、特にこのシーンのクラウス・キンスキーの迫力とカッコよさは、満点だ。しかし、金鉱掘りの段階に入ってからは期待していたように話が盛り上がらない。きっとなにかやらかすに違いないと思わせていたクラウス・キンスキーのブレントもそのたくらみをメイソンに見抜かれて殴り殺されてしまう。マヌロも序盤で追跡してきた悪党たちを相手にライフルの流し撃ちを見せる格好良さはどこへやら、泣きわめきながらブレントの命乞いをして、養父のクーパーから撃たれてしまうという情けなさだ。ラストも唐突に登場した2人組(リック・ボイドら)との戦いになり、結局クーパー1人が生き残るという展開。脚本が練られておらず、せっかくの豪華俳優陣を配置した設定を無駄にしてしまう竜頭蛇尾になってしまった。ちょっと残念な作品だ。