「殺しの瞬間(68)」

IL MOMENTE DI UCCIDERE(伊)「殺しの瞬間」、THE MOMENTO TO KILL(英)「殺しの瞬間」劇場未公開

カテゴリー(George Hilton)

監督アンソニー・アスコット、脚本ティト・カルピ、フランコ・スカルダマグリア、ブルーノ・レデル、エンツィオ・G・カスティラーリ、撮影ステルビオ・マッシ、音楽フランチェスコ・デ・マージ、出演ジョージ・ヒルトン、ウォルター・バーンズ、ホルスト・フランク、ロニフォン・フリードル、ルドルフ・シンドラー、ジョルジョ・サンマルティーノ

後に「荒野の無頼漢(70)」やサルタナシリーズを始めとするマカロニウエスタンの佳作を量産するアンソニー・アスコットことジュリアーノ・カルメリオ監督が初めて監督した作品。白い革のコートに身を包んだジョージ・ヒルトンがスタイリッシュなガンマンを演じるマカロニウエスタンらしい特徴を備えた痛快作だ。

南北戦争の直後、南軍の大佐の手によって50万ドルもの黄金が隠された。判事ウォーレン(ルドルフ・シンドラー)の依頼によって失われた黄金の捜索を依頼されたガンマンコンビ、ロード(ジョージ・ヒルトン)とバル(ウォルター・バーンズ)が町に到着すると、ウォーレン判事は何者かに殺されてしまう。隠し場所の鍵を握る車椅子の少女レジーナ(ロニフォン・フリードル)は、冷酷な叔父のジェイソン(ホルスト・フランク)に監禁されており、ロードとバルはか弱い少女を守って戦いながら、行方の知れない50万ドルの捜索を開始する。弱者を守る騎士としてのヒルトンの格好良さが際だっていて、彼の寡黙でクールな魅力が最も生かされた一編といえる。

ガンファイトもそこそこ盛り込まれており、マカロニウエスタンらしい雰囲気を保ちながら物語は進行する。ナイフのように磨きあげられた拍車が勝負を決める武器となるアイデアや、主人公の格好良さと見事にマッチしたデ・マージの音楽、美しいカメラワークは見事。普段は悪役専門の元フットボウラーのウォルター・バーンズがショットガンを片手にタフなガンマンぶりを演じる点にも注目だ。

ただし、娘の正体が判明するラストのどんでん返しが、かえってそれまでのイメージを壊してしまうという大きな欠点がある。また、ヒルトンらがあまりにゆとりたっぷりで戦っているため、せっかくのガンファイトが 緊迫感をなくしてしまっているのもマイナス要素だ。