「テキーラ(74)」

TEQUILA(伊)「テキーラ」、TEQUILA(英)「テキーラ」劇場未公開

カテゴリー(Anthony Steffen)

監督トリオ・デミチェリ、脚本エンリケ・ホセ、ミゲル・イグレシアス、トリオ・デミチェリ、撮影グリエルモ・マンコーリ、音楽カリオラノ・ゴーリ、出演アンソニー・ステファン、エドワルド・ファハルド、ロベルト・カマルディエル、ミルコ・エリス、マリア・エレナ・アルポン

テキーラことショセナ(アンソニー・ステファン)は、相棒のジャグラ(ロベルト・カマルディエル)と一緒に銀行の金庫を狙って町へやって来る。銀行の所有者コヴェン(エドワルド・ファハルド)は、農民たちに高利で金を貸して彼らを苦しめていた。気長に取り組もうと町に居座ることにしたテキーラとジャグラは、農民のリーダーであるラッシュの娘ベアトリス(マリア・エレナ・アルポン)を救ったことから、農民の味方になってコヴェンの一味と対立することになる。

虐げられている農民を町のボスから守るために戦うという物語の骨子は典型的な西部劇のパターンだが、本作では、金庫の金を誰が奪うかという争奪戦に重点が置かれており、最後は、コヴェンの一味が二手に分かれての銃撃戦。しかも、正義と悪の境目が明確になっておらず、被害者であったはずの農民側がジャグラを人質に取って、テキーラから金をゆすり取ろうとする有様。一方、それまではベアトリスに言い寄るだけだったコヴェンの道楽息子ジョージが、撃ち合いで命を落としたコヴェンの亡骸を、泣く泣く馬に乗せて去っていく描写も用意されている。

結局、手に入れた札束をばらまき、必死に拾うあさましい農民たちをしり目に町を立ち去っていくラスト。意外性のある結末処理が成功したとは言い難いが、マンネリを打開しようとする意欲は認めたい。かじっている鳥の丸焼きに銃を仕込んで撃ったり、多対多の銃撃戦があったりと、これまでのステファン作品らしい見せ場もあるが、撃ち合いの場面は少な目で、マカロニウエスタンとしての魅力は希薄。逆に、せっかく苦労して開けた金庫が、テキーラとジャグラが喜びのあまりハグし合った弾みで再び閉じてしまうなど、ロベルト・カマルディエルの愛嬌ある演技が生み出すコメディ場面に面白さがあった。