「殺し屋紳士ジョー(69)」

GENTLEMAN JO…UCCIDI(伊)「殺し屋紳士ジョー」、GENTLEMAN KILLER(英)「殺し屋紳士」劇場未公開

カテゴリー( Anthony Steffen)

監督ジョージ・フィンレイ(ジョルジュ・ステガーニ)、脚本J.J.バルカザール、ジョルジュ・ステガーニ、撮影フランシスコ・マリン、音楽ブルーノ・ニコライ、エンニオ・モリコーネ、出演アンソニー・ステファン、エドワルド・ファハルド、ビダル・モリーナ、ベニト・ステファネリ、ルイス・バーブー

この作品の特徴はなんといっても音楽が抜群によいこと。モリコーネの作品だが、躍動感といい男性コーラスの斬新さといい文句のつけようがない。音楽に比べると内容はトホホ。メキシコの軍人崩れフェラーズ(エドワルド・ファハルド)率いる暴力革命軍が町に居座っているため、軍は町の治安維持のためにクレイ大尉(ビダル・モリーナ)を町に駐屯させる。そこへギャンブラースタイルできれいにひげを剃り落とした紳士然とした流れ者ジョー(アンソニー・ステファン)が現れる。賭博のトラブルを引き起こしながらも、ジョーもまた町に居座ってしまう。そんな中ついに業を煮やしたフェラーズ一味が、大尉の事務所を襲撃し、クレイ大尉をリンチにかけて殺害する。しかし、その日からクレイ大尉の軍服に身を包んだ謎の男がフェラーズ一味を襲い始めるのだった。

この辺りまではすこぶる快調。小型の銃床を取り付けた独特の銃を駆使して遠くから敵を狙い撃つ戦法を取るジョーのカッコよさが際立つ。ジョーは殺されたクレイ大尉の弟だったのだ。この後、輸送される金塊強奪を目論むフェローズ一味とジョーの銃撃戦を挟んでいよいよ最後の決戦と思いきや、なんとこの段階でジョーは敵に捕らえられ、テキーラをしたたか飲まされてへべれけにされるというリンチ(?)を受けてしまう。何とか脱出したものの、いざ反撃とはいかず、急性アルコール中毒になってしまったジョーは、足元もおぼつかないまま再び捕らえられて、縛り首にさせられそうになるというていたらく。

結局、結末は駆け付けたメキシコの軍隊に救われるという情けないラストを迎えてしまう。「必殺の二挺拳銃(68)」もそうだが、ステガーニ監督はマカロニの本質である執念や凄み、そしてカッコいい主人公を描いてこそのマカロニウエスタンというマカロニの本質がどうもわかっていないようだ。せっかくの音楽がもったいない。